東京の新宿文化センターで笑顔クラブ主催の講演をしたときのことです。
滋賀や金沢や埼玉や鎌倉など遠方からもメルマガ「心の糧」の読者の方が来てくださり、びっくり、感激でした!
さて、笑顔クラブでは、はじめに恒例の「笑顔体操」なるものがありました。
「笑顔だといいことが起こる」ので、いつも笑顔になれるように、顔と体をほぐす体操をみんなでするのだそうです。
さて、笑顔クラブの会長さんは、マザー・テレサがお好きな方です。
ちなみに、笑顔クラブを作ったのは日本を笑顔いっぱいの国にいたいという理由からだそうです。
笑顔クラブとマザー・テレサの関係は・・・
会長さんは、ネット上のお名前を「テレサッチー」と名乗っていらっしゃるのですが、その一部は、尊敬するマザー・テレサの「テレサ」に由来するのです。
この方は、拙著『マザー・テレサ 愛の花束』に収録している「あなたの中の最良のものを」という詩が特に大好きだそうです。
この詩は、わたしも教師のとき、学校の神父さんのお話のなかで初めて聴いて、体が震えるほど感動しました。
いっしょに聴いていた子どもたちも、全身を耳にするようにして、聴き入っていたのを覚えています。
前置きが長くなりました。
次の詩です。
あなたの中の最良のものを
では、拙著『マザー・テレサ 愛の花束』からご紹介します。
あなたの中の最良のものを
人は不合理、非論理的、利己的です。
気にすることなく、人を愛しなさい。
あなたが善を行うと、利己的な目的でそれをしたと思われるでしょう。
気にすることなく、善を行いなさい。
目的を達成しようとするとき、邪魔立てする人に出会うでしょう。
気にすることなく、し続けなさい。
あなたの正直さと誠実さとが、あなたを傷つけるでしょう。
気にせず、正直で誠実であり続けなさい。
あなたが作り上げたものが、壊されるでしょう。
気にすることなく、作り続けなさい。
助けた相手から、恩知らずの仕打ちを受けるでしょう。
気にすることなく、助け続けなさい。
あなたの中の最良のものを、世に与えなさい。
けり返されるかもしれません。
でも、気にすることなく、最良のものを与え続けなさい。
(ドン・ボスコ社『本当のクリスマス』収録のマザー・テレサの言葉 石川康輔訳)
自分の最良のものを与える
マザー・テレサは、人間の愚かさや醜さを知りつつ、人間を精一杯愛しました。
困難や障害があるのを承知のうえで、最後までやり続けました。
自分の小ささと弱さを感じつつ、最良のものを与え続けました。
彼女の支えとなったものは、自分ではありません。
マザー・テレサは、自分のことを考えず、自分自身に頼らない人でした。
彼女の支えとなり、寄りどころとなったのは、常に彼女が信じた神です。
先の詩のような言葉は、実は、祈りの中で神がマザー・テレサに語りかけたものではないでしょうか。
神が彼女に語られたものを、彼女はまず、自分自身を戒めるために言葉にしたのだと思います。
彼女は、イエス・キリストがこれらの言葉通りの人生を送ったことをよく知っていました。
その人生にならって、マザー・テレサも日々、自分の最良のものを与えるように努力し続けたのです。
私もせめて、人に優しい言葉や朗らかな笑顔など、自分の中の最良と思えるものを与えることができればと思います。
自分の最良のものを与えよう。(難しいですけどね)
出典:拙著『マザー・テレサ 愛の花束』