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短時間がすべてを変える
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渡辺昇一
塩はわずかの量で料理全体の味を変えます。
醤油も砂糖もそうです。
同様に、ごくわずかな時間が一日全体の質を変えるということがあります。
ベスト・セラ-『知的生活の方法』など数々の著作家として知られる渡辺昇一氏の言葉を引用します。
「毎日五分前後の運動をすることによって、今や私の背骨は、私より二十歳も若い学者たちよりも柔軟になった。
肉体でもそうなら、脳にも毎日三十分か一時間くらい異質な運動を与えてみてはどうであろうか。
毎日一時間、仕事と関係のないことで頭を使おうと決心するならば、そのことによって、生活のクオリティは一変するだろうと予想してよい。
毎日一時間だけ、今までやらなかった『高級なこと』をやることによって、残りの二十三時間のクオリティが善変するのではないだろうか」
(渡辺昇一著『クオリティライフの発想』より)
この説には、なるほどなと思えます。
たとえば、「朝の十分間読書」というすばらしい教育があります。
林公(ひろし)という高校の先生が提唱されて以来、今や「朝の十分間読書」は、全国23,000校以上の小・中・高校に広がってきています。
「朝の十分間読書」は、子どもが各自、自分の好きな本を開いて、
授業前の十分間、声を出さずに読書をするだけの活動です。
しかし、その十分間は、騒がしかった校内が水を打ったようにシーンと静まり、時々ページをめくる音が聞こえるだけの知的で豊かな時間となります。
その十分間が、学校生活全体を変えました。
「朝の十分間読書」を実践している教室では、本好きな子が急激に増えました。
子どもたちに、読む力と同時に書く力もついてきました。
さらには、その教育効果は子どもたちの生活面にも及びました。
続けているうちに、次第に遅刻が減り、イジメや校内暴力がなくなってきたのです。
短時間のちょっと異質なクオリティが継続すると、いつの間にか何かを変えていくのです。
一日、5分間から10分間でもよいかもしれません。
自分の何かを変えるために、いままでやらなかった「高級なこと」に時間を使ってみませんか?
たとえば、読書をする。日記(ブログ)を書く。語学の勉強をする。ちょっと早歩きのウオーキングをする、祈るなど。
自分をクオリティを上げるためにわずかな時間を活用しよう。
出典:渡辺昇一著『クオリティライフの発想』