ラーメンが好きです。
インスタントラーメンも、もちろん好きです。
「チキンラーメン」
「カップヌードル」
子どもの頃から大好きです。
これらを世界で初めて生み出し、2007年に96歳で天寿をまっとされた日清食品の創業者、安藤百福さんに感謝をこめて、安藤さんの名言をご紹介します。
無一文でインスタントラーメンの開発
まったく知らなかったのですが、安藤さんは、なんと48歳、無一文で、インスタントラーメンの開発に乗り出したのです。
それまでは様々な会社の社長や信用組合の理事長を務めていたのですが、その信用組合が破産。
その負債を負い、無一文となりました。
ただ自宅が残っただけです。
このままでは、人生、敗北・・・。
48歳の安藤さんは、インスタントラーメンの開発にこれからの人生を賭けることにしたのです。
彼は裏庭に掘っ立て小屋を立て、来る日も来る日も、インスタントラーメン開発の研究を続けました。
いまでは当たり前ですが、お湯をかければ食べられるラーメンなんて、これまで誰も考えつかなかったことです。
モデルもないし、作り方なんて、誰も知りません。
ですから、考えて考えて、実験を重ねて重ねて、研究し続けました。
失敗を繰り返し、挫折を味わい、1日睡眠が3~4時間の日が続きました。
そして、1年間を経て、安藤さんはついに発明します。
世界初のインスタントラーメンの誕生でした。
1958年に商品化されると、どんぶりに入れて湯を注ぐだけでおいしく食べられる「チキンラーメン」は、瞬く間に人気商品となりました。
そして、ご存じのように、いまでも根強い人気のラーメンとなっているのです。
(安藤さん、よくぞ開発してくださいました!)
ピンチこそチャンス
安藤さんは後に語っています。
「事業と財産を失い、裸一貫、絶対の窮地から出発したからこそ、並でない潜在能力を発揮できたのではないか。
逆説的に言えば、私に事業失敗がなければ、(チキンラーメンの開発に没頭するという)これほど充実した時間はもてなかっただろうし、即席めんを生み出すエネルギーも生まれなかっただろう」
誰でも潜在能力をもっています。
その能力を発揮できるかどうかは、いろいろな要素があると思います。
・明確な目標をもっているか?
・その目標に向かって今日、行動しているか?
・その行動を日々、続けることができるか?
・失敗を繰り返しても、あきらめないで、常に目標に向かっているか?
このような意識で行動している人は、いずれ目標を達成するでしょう。
特に、窮地に立たされている人は、自分の眠っている能力が発揮しやすいのです。
「窮鼠、猫を噛む」ではないですが、逃げ場がなく、やるしかない!という状態で、必死になれば、誰でも普段の何倍も力が発揮されます。
ですから、ピンチこそチャンスです。
窮地は、人間を成長させます。
ピンチのときに、自分の潜在能力を発揮できるのです。
安藤百福さんの名言
安藤百福さんに感謝をこめて、名言をあと5つ、ご紹介します。
明確な目標を持ったあとは執念だ。ひらめきも執念から生まれる。
知識も大切だが、知恵をもっとだせ。知識は比較的簡単に手に入るが、知恵は大きな努力と体験がないとなかなか手に入らない。
私は眠るときも、メモと鉛筆を枕元に用意する。
あなた方も四六時中考える習慣をつけなさい。
お客様は神様です、という言葉があるが、消費者は神様以上のきびしさをお持ちである。
即席めんの開発に成功した時、私は四八歳になっていた。遅い出発とよく言われるが、人生に遅すぎるということはない。五〇歳でも六〇歳でも新しい出発はある。
安藤百福さん、ありがとうございました!
出典:鈴田 孝史 著『安藤百福のゼロからの「成功法則」』(かんき出版 )