いい言葉

アンパンマン、かっこよくなくても正義と愛のヒーロー

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

かっこよくなくても・・・

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

漫画家のやなせたかしさんの話です。

やなせさんは子どもたちの大人気の「アンパンマン」の作者。

「アンパンマン」という作品は非常にユニークですね。

当時、ヒーローと言えば、ウルトラマンや仮面ライダー・・・

かっこいいですねー。

男の子なら誰だって、ウルトラマンごっこや仮面ライダーごっごをしたことが
あると思います。

いまでも人気がありますね。

そんな中で、アンパンの顔をした変なヒーローを、やなせさんはどうして世に送り出したのでしょうか。

それには、やなせさんのある思いがありました。

初版『あんぱんまん』の「あとがき」にあるやなせさんの言葉をご紹介します。

以下は、拙著から・・・。

「ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし、そして、そのためにかならず自分も深く傷つくものです。」

やなせたかし
1919年~
漫画家・絵本作家・詩人
代表作品『アンパンマン』

やなせさんの絵本『あんぱんまん』(はじめはひらがな)が出たとき、
大人からの評判はよくありませんでした。

まわりの人からは「くだらない」と言われ、批評家からは図書館には置くべきでないと酷評されたそうです。

砂漠で飢え死にしそうな旅人のところへあんぱんの顔をしたヒーローが飛んできて、自分の顔を食べさせるというストーリー。

これまでのヒーローのように勇ましく戦うわけではなく、かっこよくも強くもありません。

やなせさんが、この作品を描きたかった背景には、戦争体験があります。

飢えた人は救うべき、いつの世にもひもじい人を助けるヒーローが必要だと考えていました。

自分の顔をあげてでも、人を生かす自己犠牲の精神を描きたかったのです。

大人には不評だったこの作品は、意外にも、子どもたちには大人気となり、
絵本もテレビも映画も大ヒット。

その人気は三十年以上たっても衰えることがありません。

「傷つくことなしに正義は行えない」というやなせさんのメッセージは、
子どもたちに受け入れられ続けているのです。

拙著『きっと勇気がわいてくる魔法の言葉』より

・・・・・・・・・・

アンパンマンは、自ら傷つきながらも仲間を助けます。

自分の一部を与えます。

アンパンマンは、正義を超えた愛のヒーローです。

かっこよくなくても正義と愛を目指そう。

かっこよくなくても、良いものは心でわかるのです。 (^.^)

【出典】やなせたかし著『あんぱんまん』