「すべてに感謝する心があってこそ、思いやりの心も生まれ、人の立場も尊重する行動もできる。ともに栄え、ともに幸せに生きようという道にも通じるのです。」 松下幸之助
松下幸之助氏がうつ病?
▼『松下幸之助 成功の金言365』に出ているお話です。(P.121)
松下が以前、体の調子が悪く、精神的にも心労を覚え、なんとなく心寂しさを感じていたことがあったそうです。
そこで、ある友人に相談したところ、「君は少しうつ病にかっているのではないか」と、こう言われたというのです。
「その原因は簡単や。君は喜びを知らんのや。ありがたさを知らんのや。いいかえると感謝の念がないから、そのような寂しさに陥るんや」
さらに続けて・・・
「もしそういう点をよく考えたら、この世の中というのは、非常に楽しいものだよ。
どういう問題が起こっても決して心配は要らない。問題が起これば起こるほど、感謝の気持ちとともに、勇気が凛々(りんりん)として湧いてくるんだ」
松下幸之助氏の素直さ
▼こう言われても、ふつうの人なら、納得しないかもしれませんね。
しかし、そこはさすがに松下さんです。
その友人の言葉をあとで静かに考えて、こう書かれています。
「これは自分の見方が誤っていた。喜ぶべきことに対して憤慨してみたり、いろいろ煩悶して心身の働きを弱めていた」
と反省し、
「自分の見方をもっと大きく広げなければいけない。自分の心を正しく立て直さなければいけない」
と前向きに決意をもたれているのです。
さすがです。
高齢になっても、このような素直さがあったから、
どんな不況にも負けずに、成功し、成長し続けれられたのだと思います。
感謝する心が大切
▼その後、松下さんは次のようなことを言われます。
「すべてに感謝する心があってこそ、思いやりの心も生まれ、人の立場も尊重する行動もできる。ともに栄え、ともに幸せに生きようという道にも通じるのです。」
人はただ一人での力で生きることは不可能です。
親、兄弟、先輩、同僚、後輩、見知らぬ人にも助けられて生きています。
人だけでなく、物や環境、身の回りすべてのもののおかげで生きているのです。
自然の恵み、神のご加護、自分の存在を生んだ祖先・・・。
▼そうなのです。
感謝は、人間が幸せに生きていくために欠かせないこと。
幸せの道を拓いていくことなのです。
感謝を言葉や行いに表すと、自分の心が浄化されます。
人のことを考えることができるようになり、思いやりが生まれ、人をほんのり幸せにします。
感謝すればするほど、幸せの道が拓かれるのです。
今日、身近な人への感謝を言葉やおこないに表しましょう。(^.^)
【出典】『松下幸之助 成功の金言365』
松下さんのご著書から金言を選び収録した、とてもいい本です。