自己肯定感を上げるにはどうすればいいのでしょうか。
いろいろあると思いますが、誰でもカンタンにできて、実際に効果的を上げている方法をご紹介します。
それは「パーソナルポートフォリオ」です。
自己肯定感が低い日本の子ども
▼教育に関することですが、子どもだけでなく、大人にも当てはまります。
いやむしろ、大人にこそ、必要なことでしょう。
▼日本の子どもたちは、自尊感情が低いということが、教育機関の様々な調査によってわかっています。
たとえば、東京都教職員研修センターの調査(2008年)によれば、
「自分のことが好きか?」
という問いに、小6で41%、中3で52%が否定的に回答。
「自分にはよいところがあるか」
という問いにも、小6・中3の各3割が否定しています。
この傾向は、大人にもあり、
「自分なんかダメだ」
「自分は生きている価値がない」
と自分を自分で否定する人が多いのです。
子どもは学年が上がるほど自己否定をする子が多くなってきていますので、大人はさらに多くなると推測できます。
「うつ病」「心の病」の増加、「自殺」が3万人を超える現象は、このことと大いに関係しているでしょう。
「パーソナルポートフォリオ」とは?
▼そんな中、教育委員会では、やっと本腰を入れて、子どもたちの「自尊感情」を高めるようにしています。
そこで注目されている一つの手法があります。
それは、「パーソナルポートフォリオ」です。
「パーソナルポートフォリオ」とは、自分自身の成長ファイルです。
これを推進されているのは、福井県の小学校教師、岩堀美雪先生。
▼方法は、とてもシンプルです。
夢や目標、自分の長所を書いて、あとは自分が残したいと思うもの、
たとえば、「宝物(大切にしている写真、手紙、賞状など)」
「やり遂げたこと(山登りの写真、マラソンの完走賞など)」
を「ファイル」の中にしまいこんでいくだけ。
つまり、好きなものをしまいこんでいくだけです。
それだけで自分が変わっていきます。
実際、これまで岩堀先生の講習を受けた1万4000人以上の人々からは
「夢が叶いました!」
「人間関係に悩まなくなりました」
といった報告が次々に寄せられています。
子どもだけでなく大人もです。
「パーソナルポートフォリオ」が効果的なわけ
▼なぜ、そうなるのか。
それは、ファイルに好きなものを収めることが自分を認めることにつながるからです。
そして、自尊感情が養われ、自己肯定感が増すからです。
すると、
「自分はダメじゃない」
「自分もできる!」
「やれる!」
という前向きな気持ちも生まれます。
それが前向きな行動となり、夢が叶います。
そして、自分がだんだん好きになれます。
自分が好きな人は、まわりの人の良さも認め、肯定することができます。
すると、まわりの人が好きになり、まわりの人からも好かれて、人間関係が良くなります。
▼もともと私たちは、少しくらい欠点があるかもしれませんが、決してダメなわけではありません。
長所は、たくさんあるのです。
弱い存在ですが、子どもの頃からまわりの人に助けられ、これまでたくさんのことを成し遂げてきているはずです。
そんな自分を認める一つのツールが、「パーソナルポートフォリオ」なのです。
▼これは、やろうと思えば、今日からできます。
余っているファイル1冊(なければ100円ショップで売っているものでOK)に自分の夢や目標を紙に書いて入れましょう。
ついでに、これまでがんばったことや人から1回でもほめられたことなどを思い出して、紙に書いて入れましょう。
「あなたは優しいね」「笑顔がいいね」「○○が上手だね」など、なんでもOK.
ともかく自分をほめることをファイルにどんどん増やしていくのです。
増えれば増えるほど自己肯定感が上がっていくでしょう。
▼そもそも、私たちは存在するだけで、素晴らしい。
神様に愛されて生まれ、今も愛されている価値ある存在です。
そんな自分やまわりの人を互いに認め合い、もっと好きになれたらいいですね。
自分の良さをまず自分が認めよう。(^.^)
「パーソナルポートフォリオ」は自己肯定感を上げる効果的なツールです。
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【出典】岩堀美雪著『ポートフォリオで「できる自分」になる』