何か大事なものを失ったショックから立ち直るにはどうすればいいのでしょうか?
たとえば、自分の大切な人を失ったとき、自分の体の一部が失われたとき、辛い思いをします。
そんなとき、どうすれば立ち直ることができるのでしょうか?
持っているものに感謝する
戦後の喪失感や肺結核という病から自殺を図ったが立ち直った三浦綾子さんの言葉をもとに考えてみましょう。
私たちの人生を決めるのは、ほとんどの場合、自分自身なのかもしれない。
どんなに不幸な目に遭っても、辛い目に遭っても、それを乗り超えようとする時、
「まだ三本も指があるのです」
と失ったものにではなく、持っているものに感謝する新たな人生が展開するのである。
三浦綾子著 『ナナカマドの街から』
三浦綾子さんのこの言葉の背景には、田原米子さんという存在があります。
田原米子さんは、18歳の時、母親の死にショックを受け、小田急線の新宿駅ホームから飛び込み自殺をはかりました。
応急処置により一命は取りとめますが、両足と左腕を切断、残る右手も小指と中指が切断されていました。
入院先の病院で服毒自殺を図りますが、助かります。
その後、知人を通して訪れた2人のクリスチャンを通して、聖書の世界に触れ、劇的に変わります。
後にそのうちの1人、田原昭肥(あきとし)牧師と結婚、2人の娘を育てます。
それらの体験を通して、「なんで自分だけが不幸なのか」というマイナス指向から「自分にはまだ3本の指がある」という発想に変えられた喜びと希望、生きる素晴らしさを、日本全国や海外での講演会を通して語り続けました。
2005年4月18日召天。享年67歳。
田原米子さんは、失ったものにではなく持っているものに感謝することで、幸せな人生を送ることができたのです。
神に感謝する
三浦綾子さんは、自分の人生が幸せかどうかは生まれもった能力や環境 によるのではなくて、その人自身の考え方によって決まると語りたかったのでしょう。
三浦綾子さん自身も、自分の考え方を変えることで、人生が変わった人でした。
彼女はどれだけ世の中や自分が変わっても決して変わらないもの、失われないもの、真実なものに目を向け追い求めました。
それは、1つしかありませんでした。
それは神という存在です。
神は決して失われることはないし、自分を見捨てることはない存在でした。
祈ることで心に神がある生活、神に感謝する生活を送ることができるようになりました。
神に祈ることで、失くしたものではなく、持っているものに感謝できるものに変わっていったのです。
いま持っているものに感謝する。 (^.^)
【出典】三浦綾子著 『ナナカマドの街から』