ピンチって、誰にでもやってくるのです。
ピンチを前向きにとらえると、落ち込みません。
むしろ、ピンチはチャンスになるのです。
それは企業や個人でもいえることです。
では、その考え方の秘訣を経営の神様、松下幸之助氏に学びましょう。
良い企業はピンチの時も伸びる
好況よし、不況もまたよし。
不況は改善・発展への好機である。
松下幸之助
松下幸之助さんによると、「松下電器は不況の度に伸びてきた」そうです。
たとえば、1929年、世界恐慌のあおりを受けて、売り上げが激減したことがあります。
この時、松下さんはどう考えたか?
世界的な不況だから仕方ない、とは考えませんでした。
社員をリストラして対応しよう、とも考えませんでした。
「不況は、改善、発展の好機である」と考えたのです。
ですから、松下さんは、社員を一人も解雇せず、給料も下げませんでした。
その代わり、工場を半日操業にして、社員全員で、たまった在庫を販売することにしました。
いきおい社員の意欲は高まりました。
その結果、長引く不況で他の会社が低迷する中、松下電器は、逆に業績を伸ばし続けたのです。
1964年の景気後退を受けて開かれた、通称「熱海会談」のときもそうです。
「不況は、改善、発展の好機である」という考えにブレはありません。
松下さんは、3日間にわたって、全国の販売店の代表者たちの苦情や意見を傾聴しました。
当然、販売店自身の努力不足が原因の経営不振にも気づきましたが、まずは松下電器本社の責任を痛感し、皆に陳謝しました。
「松下電器があるのは、皆さんのおかげです。これからは心を入れ替えて出直しします」
そして、販売体制の大改革に着手しました。
その結果、業績は劇的に回復し、大躍進を遂げたのです。
人間は、好況のときが続くと、「このままで、いいだろう」と、安易な気持ちが生まれてきて流されます。
そのため、小さな問題があっても見過ごし、反省し、改善するきっかけがつかめません。
ところが、不況に直面すると、危機感が生じ、「なんとかしなければ・・・」と、一所懸命に考えるうちに新たな課題が見つかます。
皆がいっそう意欲をもって、あらゆる面で改善に真剣に取り組むことができます。
個人でも「ピンチはチャンス」だ
これは個人レベルでも同じでしょう。
ピンチは改善、発展のチャンスです。
ピンチのときに、前向きに考え、人の意見を素直に聞き、謙虚に反省すれば改善、発展、飛躍のチャンスになるのです。
学校では、先生が生徒に問題を出します。
生徒は、その問題をクリアーしていくことで、成長していきます。
社会では、誰かがあなたに問題を出します。
あなたは、その問題をクリアーしていくことで成長していきます。
これからも問題は、大なり小なり起こります。
その問題は、あなたが成長するチャンスなのです。
問題があるときがチャンスだと考える。(^.^)
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【出典】 佐藤悌二郎著『図解 松下幸之助の行動学』
松下幸之助さんの考え方・生涯をわかりやすくまとめた良書です。