23歳で海を渡り、米国の大リーグで、投手と打者という二刀流に挑戦してきた大谷翔平選手には、多くの批判がありました。
「25歳での契約であれば多額の契約金が獲得できたのに愚かだ」
「二刀流は日本の野球で成功しても、大リーグでは無理だ」
「怪我のリスクが大きくなる」
「記録を残すためには、1つに絞ったほうがいい」
など、など。
しかし、彼は自分の信念を貫いてきました。
そして、大成功。
2018年シーズンから投打にわたって活躍し、日本人史上4人目の新人王を受賞しました。
2021年シーズンでは、2001年のイチロー以来となる日本人史上2人目(アジア人史上でも2人目)のシーズンMVPとシルバースラッガー賞を受賞。
2022年8月9日、メジャーリーグではベーブ・ルース以来約104年ぶりの、二桁勝利・二桁本塁打を達成。
そして、何よりも大谷選手が二刀流に挑戦し活躍する姿は、その人間性ともあいまって、米国や日本の多くのファンを魅了し続けています。
ところで、そんな大谷翔平選手の愛読書をご存じでしょうか。
大谷翔平選手の愛読書
読書家なのでいくつかありますが、その1つは『チーズはどこへ消えた』です。
この本は、アメリカ合衆国の医学博士・心理学者であるスペンサー・ジョンソンが著した童話風の、ビジネス書、自己啓発書です。
1998年にアメリカで出版され全世界で累計2800万部を超えるベストセラー。日本では、累計400万部以上のロングセラーとなっています。
再読してみて、この本には、大谷翔平選手の行動原理となるがものがあると思いました。
『チーズはどこへ消えた』の大体のあらすじ
小人2人とネズミの2匹はある日、
迷路の中でチーズを見つけます。
みんなチーズを見つけたことに喜び、
お腹いっぱいチーズを楽しみました。
ところが、数日後、チーズが突然なくなります。
毎日食べていたので
チーズはどんどん小さくなっていたのです。
小人の2人はその事に気が付きませんでした。
毎日あった幸せな場所は、
もはや何もない場所になってしまいました。
小人はあたふたして絶望します。
一方、ネズミたちは
「もうチーズはないから、別の場所を探そう」
と言って、新しいチーズを探しに行きます。
変化を機敏に察知して、どんどん行動するネズミ。
変化に対応できずに、不満ばかり言う小人。
小人は、「居心地の良い場所」から出ることができず、
毎日同じ場所にとどまるだけ。
絶望がピークに達した時に、
一人の小人が状況を変えるために立ちあがります。
なかなか、考えさせられるストーリです。
ハッとするような言葉
出てくる言葉にも、含蓄があります。
「常にチーズをかいでいれば、チーズが古くなったことに気がつく」
「新しい方向に進めば、新しいチーズが見つかる」
「恐怖をのりこえれば、楽になる」
「新しいチーズがまだみつからなくても、
新しいチーズをたのしんでいる自分を想像すれ ばそれが現実化する」
「古いチーズに早く見切りをつければ、
それだけ早く新しいチーズが見つかる」
「信念があれば、かならずや道は開ける
思っていたような道ではないが、やがて、やってよかったとわかる」
「変化は起きる」
「変化を予期せよ」
「変化を探知せよ」
「変化にすばやく適応せよ」
「変わろう」
「変化を楽しもう」
「進んですばやく変わり、再びそれを楽しもう」など
変化を楽しみ人生を楽しむ
大リーグで二刀流という新しい道にチャレンジしてきた大谷選手の行動原理は、この本の中に読み取れます。
彼は信念をもち、チャレンジを続けます。
安楽な居場所を求めず、
古い成功体験につがみかず、
状況の変化に応じて、
自分を変えていくことを恐れません。
変化を楽しむことで、野球を楽しみ、
人生を楽しんでいます。
そして、そんな彼の活き活きした姿が
多くの人たちを魅了しています。
20代という若さがあるからできること?
そうかもしれません。
けれども、自分の古い殻から抜け出すために、
年齢を言い訳にして行動するかしないかは、
年齢と関係ないように思います。
20歳でも行動しない人はしないし、
50歳、60歳、70歳でも、
新しい状況の変化に応じて、
自分を変えていくことを恐れない人は、いらっしゃいます。
新しい挑戦を楽しみ、自分の変化を楽しみ、人生を楽しむ。
時代はどんどん変化しています。
変化のスピードは速くなる一方です。
変化を怖れない。
不平不満を言う前に、自分で環境を変化させる。
新しい自分になるために挑戦する。
変化を楽しむことで、人生を楽しみたいと私も思っています。
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出典 スペンサー・ジョンソン著『チーズはどこへ消えた』
ビジネス書・自己啓発書として、一流企業に研修用にも活用されていますが、寓話調なので子供から大人まで幅広く読めます。