「かけはし」という教育機関紙があります。
全国教育交流会「やまびこ会」代表の中野敏治先生(元公立中学校校長)が発行されている月刊紙です。2006年に創刊し17年間発行され、2023年3月号で194号を数えます。
内容は、「やまびこ会」を主宰されていた故山田暁生先生や中野敏治先生の心温まるメッセージがほとんどで、読者はほぼ教育関係者でしょう。
その紙面に、2022年12月号から2023年3月号まで4回の約束で、短いエッセー(1回500字)を依頼されました。
「人は夢をもって行動すれば変わる」というテーマで書かせていただきました。
教員時代から私には、人(子ども)の教育の前に、まず自分(大人)の教育を・・・という思いがあります。
なので、以下に書いたことは、自己教育、自己改善の方法でもあるかと思います。4回分をまとめてご紹介します。
誰にも素晴らしい可能性がある
初めまして、中井俊已と申します。
長崎市の私立小中学校で23年間教師をした後、作家・教育評論家という肩書で仕事をしてきました。
本は約60冊、講演も全国各地で、と書くとスゴイ人と勘違いされるのですが、元々文章を書くのは苦手で、話も下手な普通の人です。
では、なぜこうなったのかというと、「人は夢をもって行動すれば変わる」からでしょう。
ただ、自分の行動など大したことはなく、ひとえに自分以外の方々のおかげです。
教えていただいた習慣やコツを実践し紹介していくうちに、出版数、講演数が増えていったのです。
そうです。人は誰でも、自分の行動や周りの人からの支援によって変わっていくのですね。
ですから親も教育者も、目の前の子どもがどれだけダメに思えても、その子の将来の可能性を信じてあげてほしいと思うのです。
いま、私は肩書とは関係なく、2つの仕事をしています。
1つは、お母さんのお腹にいる「赤ちゃんの命を守る」ことを目的としたNPO法人の仕事。
もう1つは、発達障害の子どものための児童施設の仕事です。
お腹の赤ちゃんにも、発達障害の子たちにも素晴らしい可能性がある、そんな当たり前のことを思いながら働いています。
確実に変わる行動
「人は夢をもって行動すれば変わる」と前号に書きました。
では、どんな行動がよいのでしょうか。
拙著『ラッキー!』『ハッピー!』などにも書いてきた100個以上のコツから、3つ精選し、今回はその1つをご紹介します。
これは大学生の時に、友人から勧められて、今も毎日実践していることです。
教師の時は、子どもたちや親しい友人にも勧めてきました。
幼児から100歳の方まで、やろうと思えば今日からできます。
それは、夜3分間の一人反省会です。
やり方は簡単。
寝る前に静かな場所で3分間、一日の自分の言動を振り返り、次のような黙想をするのです。
良かったことを思い出して、「ありがとう」と感謝する。
悪かったことを思い出して、「ごめんなさい」と謝る。
「明日、がんばろう」と思うことを一つ、決心として手帳などに書く。
これだけです。つまり日常生活において、感謝、反省、翌日の改善点を積極的に見つけていくのです。
改善点(決心)は、私の場合、たいてい小さなことです。
「怒っている時は、深呼吸を三回してから話そう」とか「○○さんに否定的なことを言ってしまったから、明日謝ろう」とか。
行動が習慣になると、確実に人は変わっていきます。
言葉を変えると人は変わる
自分を変えるために、今日からできる簡単な方法は、言葉を変えることです。
言葉には、人を動かす力があります。
誰でも、「無理」とか「ダメ」とか否定的な言葉ばかり言われると凹んでしまいますよね。
でも、「難しいけれど君ならできる!」と言われるとやる気になれます。
失敗しても努力を認められたら、またやってみようという気になれます。
ですから、可能性を信じて肯定する言葉をかけてあげれば、人は伸びていくものです。
こんなふうに、言葉で認めたりほめたりするだけでも、人の心も行動も変容していくのですね。
では、自分の言葉で、一番動かされるのは誰でしょう?
はい。たぶん、自分ではないでしょうか。
なぜなら、自分の言葉を毎日毎日一番多く聞いている自分ですからね。
愚痴、不平不満、悪口は、ほどほどにして、自分の言葉を前向き・肯定的にしていくと、心は明るく元気になっていきます。
「うれしい」「たのしい」「しあわせ」「おいしい」「運がいいい」などね。
特に「ありがとう」という感謝の言葉は、自分も相手も幸せする最強の言葉です。
「ありがとう」が増えると、幸福感が増してきます。
人間関係も良くなるし、毎日、良いことがたくさん起こります。
自分自身が学んで見つける
「人は夢をもって行動すれば変わる」コツを3つ精選しご紹介します、と以前に書きました。
この最終回は、その3つ目です。
それは、「自分が実践したらいいと思うことは自分自身が学んで見つける」ことです。
多分、コツは人の数ほどあります。
何が自分に相応しいのか、人によって、現状によって違うので、自分が見つけるのが一番良いと思います。
ちなみに、私は自分のブログ「今日も良いことがあるように」の「夢を叶えるために運が良い人から学んだ10の小さな習慣」という記事で、人様から教えていただいた習慣を10ほどご紹介しています。
1.夢を持つ
2.夢を文字にする
3.夢を見てワクワクする
4.具体的な目標を立てる
5.目標は分割して達成する
6.夢を何度も口に出す
7.運が良い人と付き合う
8.良いことはすぐにマネする
9.毎日、読書をする
10.今日できることをとりあえず始める
これらは、私にはピッタリきたのですが、そうでない人もいるでしょう。
他にもたくさんある中で、自分が見つけ実践していくのが、一番良いと思うのです。
であれば、私たち大人も、いくつになっても成長し幸せになれると考えています。
最後までご覧いただきありがとうございました。
画像:フィンセント・ファン・ゴッホ作「星月夜(ほしづきよ)」1889年(ニューヨーク近代美術館所蔵)