誰もがしようとしないような、小さな、つまらないと思えるような仕事をしましょう。(マザー・テレサ)
▼『孤独になる前に読んでおきたい10の物語』という本を読みました。
著者は、作家の神渡良平さん。
38歳で脳梗塞で倒れ、半身不随の寝たきりの絶望の状態から、真剣に本を読み、人生を考えることによって立ち直った方です。
▼この本の中で、神渡さんは、五十嵐薫さんのお話を紹介されていました。
五十嵐さんは長年マザー・テレサの活動を支援し、現在は、インドに無料の診療所や孤児院をつくり運営されている方です。
「この世の最大の貧困は、飢えやお金がないことではなく、社会から捨てられ、自分なんてこの世に生まれてくる必要がなかったと思う孤独感です。」
このマザー・テレサの言葉に心動かされた五十嵐さんは、親からも社会からも見捨てられたような子どもたちに
「君も大切な子どもなんだよ」
と言ってあげるために、温かい家庭をつくりたいと考えたのです。
とても素晴らしいことです。
でも、そんな立派なことは、普通の人ではなかなかやれません。
もちろん私もです。
でも、いいんです。
人には、それぞれ自分が今いる場で、自分に応じてできることがあるのです。
▼神渡さんのご本には、次のマザー・テレサの言葉が紹介されていました。
「誰もがしようとしないような、小さな、つまらないと思えるような仕事をしましょう。
私たちは小さな者ですが、それにふさわしいやり方でしましょう。
目の見えない人に手紙を書いてあげたり、横の座って話を聞いてあげたり、横に座って聞いて上げたり、手紙を出して来てあげたり、ちょっと人を訪ねるとか、お花をもっていくとか、洗濯は掃除をしてあげましょう。
つまらないと思える仕事が、私やあなたのする仕事です。」
▼私は考えます。
マザー・テレサも、人の目から見れば、「小さな、つまらない」仕事を毎日毎日してきたのです。
しかし、それは愛のこもった仕事でした。
人に批判されようと、誉められようと気にせずに、「小さな、つまらない」仕事を自分を傷つけるほどの精一杯の愛を込めておこなってきました。
人間がおこなうことの大小に、神様は関心がありません。
毎日祈って神様と親しかったマザー・テレサは、神様が何を望まれているのかよく知っていました。
「どれだけ大きな仕事をたくさんするかより大切なのは、どれだけ心をこめておこなうことができるか」
マザー・テレサは、どんな小さなことにも、愛をこめておこなう人でした。
小さなことに、愛をこめて・・・
それは私たちにも、今いる場で、やろうと思えばできそうなことなのです。
今日、1つ。小さなことに、愛をこめて・・・。(^.^)
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【出典】神渡良平著『孤独になる前に読んでおきたい10の物語』
神渡さんと五十嵐さんには、マザー・テレサについての素晴らしいご著書があります。
神渡良平著『マザー・テレサへの旅路』・五十嵐薫著『マザー・テレサ 愛の贈り物』