欠点というものは君に欠けたものじゃない。
「欠点というものは君に欠けたものじゃない。
僕らが大きくなりたいと思うための、欠かせないもの」
DAI 作詞・作曲「あなたは、あなたで大丈夫」より
滋賀県の高校教師、北村透明先生が主宰する虹天塾近江では、毎回素晴らしい人物が講話をされています。
その中の一人に、ロックバンドおかんのヴォーカリストDAIさんがいました。
私は、YouTubeでしか聴いたことがありませんが、DAIさんの歌は、彼の心から出て、聴いている人の心にストレートに響くものです。
その歌は、彼の生い立ちや人生の歩みから生まれた魂のメッセージだからです。
B’zとの出会い・いじめ・アトピーの発症
DAIさんは、幼少の頃、両親の離婚によって母と暮らします。
中学生の頃、DAIさんはサッカー部でしたが、サッカー部のほとんどの友人が暴走族へ入って行きました。
そこで、母親を悲しませたくないと退部。
大阪城ホールで、B’zのコンサートを見たことがきっかけで、学校のフォークソング部に入り、文化祭のステージで演奏しました。
その翌日から、サッカー部による壮絶ないじめが始まりました。
DAIさんと話をした人もいじめられたので、卒業するまで、誰も友達ができなかったそうです。
精神的に落ち込んで、アトピーが発症しました。
友人やおじちゃんの自殺、そして自分も自殺
高校に入って、B’zに感化されてさらにバンドに熱中します。
しかし、ファンである友人が自殺。
そして、父親代わりのおじちゃん(母の弟)も自殺。
自分の歌の無力さを知り、アトピーが全身に吹き出します。
そして、半年間の入院となりました。
退院後も良くならない体調と精神状態で、「死にたい」と言いながら、荒れ狂ったそうです。
DAIさんが立ち直れたのは、「死ぬんだったら、一緒に死のう」と言ってくれたお母さんがいたからです。
自分は一人じゃない。
どんなに地獄の苦しみでボロボロになろうとも、人の温かみ、人の優しさに囲まれていたことに気づきました。
本当に愛されていたということを知り、人生をかけて、あの時亡くなった友人、おじちゃんに恩返しをすると誓いました。
夢が叶う
それから、DAIさんは必死でがんばりました。
歌を作り、歌い続けました。
彼が作った魂の歌は、誰かの魂を揺さぶり、少しずつ、少しずつ、少しずつ、認められるようになっていきます。
そして、ついに、2013年4月8日、バンド結成から17年という時間をかけて、夢だった大阪城ホールでの単独公演を開催しました。
今年4月には、北村透明先生の高校で、講演とライブをしたそうです。
魅了されたのは生徒さんだけでありませんでした。
校長先生も、特に、1曲目の「あなたは、あなたで大丈夫」の歌詞は、教科書に載せてほしいというくらいと絶賛されたそうです。
「あなたは、あなたで大丈夫」には、
「欠点というものは君に欠けたものじゃない。
僕らが大きくなりたいと思うための、欠かせないもの」
という言葉が出てきます。
DAIさんがこれまでの歩みの中で得た実感でしょう。
欠点は成長に欠かせないもの
誰でも欠点はあるけれど、それは私たちの成長に欠かせないもの。
そう思うと、自分を嫌いになることはないでしょう。
欠点も含めて、自分を丸ごと好きになれそうです。
そうです。
夢に向かうとき、人は自分に欠けているものに、はっきり気づきます。
才能? 知識? 健康? 人脈? 美貌? 時間? お金?・・・など
多くの人は、自分には欠けているものがあるからダメだと考えます。
それでチャレンジするのをやめてしまっては残念です。
たぶん誰でも何かが欠けているのです。
ある人は体に障害があったり、ある人は病気だったり、ある人は極貧だったり、ある人は中卒までの学歴しかなかったり、親からの愛情がなかったり・・・。
でも、夢がかなった人は知っています。
欠けているものは、いまもまだ、ある。
欠けているもののおかげで、自分は成長できたのだと。
わたしたちは人間だから欠点はなくならないでしょう。
でも、欠けているものがある限り成長はできるのです。
自分の欠点を成長の糧にしよう。 (^.^)
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出典・参考
「虹天」第113号・119号 (発行 虹天塾近江 北村透明)
YouTube「あなたは、あなたで大丈夫」(ロックバンドおかん)
ロックバンドおかんは、2018年6月から活動休止中ですが、DAIさんは、ソロで学校などをまわり、人の心に響く魂の唄を歌い続けています。