紹介する言葉は、偉人や賢人の言葉・名言・格言など、きっと心に響き、そして心の糧になる言葉です。
ちょっとした空き時間や待ち時間に、スマホなどで読めるように短い解説を加えています。
これらの素晴らしい言葉にふれ親しむことで、あなたは明るい気持ちになれるでしょう。
司馬遼太郎の言葉
竜馬も、ニコニコした。その笑顔が、ひどく愛嬌があり、(おお、みごとな男じゃ)と西郷はおもった。
司馬遼太郎 1923~1996
作家 代表作品『竜馬がゆく』『坂の上の雲』
この後、次のような文章が続きます。
「漢(おとこ)は愛嬌こそ大事だと西郷はおもっている。鈴虫が草の霜を慕うように万人がその愛嬌に慕い寄り、いつのまにか人を動かし世を動かし、大事をなすにいたる、と西郷はおもっている。」
坂本龍馬という人は、実に愛嬌のある漢(おとこ)だったようです。
当時の人にも、現代人にも、たいへん人気がある人物です。
その龍馬を(みごとな男じゃ)と思う西郷隆盛も愛嬌があり、多くの人に慕われているリーダーでした。
人間の魅力は、仕事ができるとか、勉強ができるだけでありません。
どこか愛嬌あり、人から好かれる人は、人を自然と動かすリーダーになります。
龍馬のように、ニコニコしている人は、愛嬌があります。
愛嬌の秘訣は、笑顔かもしれません。
【出典】司馬遼太郎著『竜馬がゆく 5』(文藝春秋社)
ヘップバーンの言葉
美しい唇であるためには、美しい言葉を使いなさい。
美しい瞳であるためには、他人の美点を探しなさい。
オードリー・ヘップバーン 1929~1993年
イギリスの女優 代表作品『ローマの休日』
オードリー・ヘップバーンは、とても美しく魅力的な女優でした。
亡くなった今でもCMやポスターなどに登場するほど人気のある人です。
そんな彼女の美しく魅力的になるコツが冒頭の言葉です。
いい言葉を使っていると、いい顔になっていきます。
いい言葉って、人の心を温かくし、励まし、人を喜ばせるような言葉でしょう。
たとえば、「ありがとう」とか「ごめんね」とか「おめでとう」とか「よかったね」
とか、人に感謝する言葉、人をほめる言葉、やさしさを表わす言葉などでしょうか。
でも、逆に人の悪口、陰口や不平不満ばかり言っていると、だんだんいやな顔になっていきます。気をつけたいですね。
それから、人の美点(良いところ)を探していると、いい顔になってきます。
人の良いところを見つけると、瞳は輝きます。
人の良いところを喜べると、笑顔になれます。
でも、人の粗(悪いところ)を探していると、だんだんいやな顔になっていきます。これも気をつけたいですね。
坂村真民の言葉
念ずれば花ひらく
坂村真民 1909~2006 詩人
坂村真民さんは、8歳のときにお父さんを亡くしました。
そのため、残されたお母さんと子ども5人は、失意と貧乏のどん底生活に陥ります。
苦労に苦労を重ね、お母さんは真民さんたちを愛情深く育ててくれたそうです。
「念ずれば花ひらく」
この言葉はそんなお母さんの口ぐせでした。
いつしかそれは真民さんの口ぐせとなり、50歳を超え、身体を病み、失明しかかっているときにも支えとなりました。
「念ずれば花ひらく」
この言葉を口にすると、不思議に真民さんの花が一つずつ開いていったそうです。
「念ずれば花ひらく」
真民さんはこの言葉をもとに一つの詩を作りました。
「念ずれば花ひらく」の詩碑は、全国各地、外国にも立てられています。
この言葉によって、多くの人が希望を見出し勇気づけられているのです。
【出典】坂村真民著『念ずれば花ひらく』(柏樹社)