紹介する言葉は、偉人や賢人の言葉・名言・格言など、きっと心に響き、そして心の糧になる言葉です。
ちょっとした空き時間や待ち時間に、スマホなどで読めるように短い解説を加えています。
これらの素晴らしい言葉にふれ親しむことで、あなたは大切なことに気づき、生きる勇気が湧いてくるでしょう。
マザー・テレサの言葉
善い行いをしても、おそらく次の日には忘れられるでしょう。
気にすることなく、し続けなさい。
マザー・テレサ 1910~1997
カトリック修道女
マザー・テレサは、インドの貧しい人々を救うために、たった1人で行動をおこしました。
道にたおれた人を助け、親のない子やハンセン病患者のための施設をつくり、世話をしてあげました。
このようなよいことをしても、人々から理解してもらえないことも、文句を言われることもありました。
それでも彼女は、し続けました。ほぼ半世紀の間です。
人はときに、よいこと、正しいこと、美しいことに対して、理解しないどころか悪意やねたみの心をもつことさえあります。
でも、負けないでください。
だれからも認められなくても、たとえ反対があっても、それらには尊い価値があるのです。
マザー・テレサはこうも言います。
「あなたの正直さと誠実さとが、あなたを傷つけるでしょう。気にせず、正直で誠実であり続けなさい」
【出典】石川康輔編集『本当のクリスマス』収録のマザー・テレサの言葉(ドン・ボスコ社)
三浦綾子の言葉
何十億の人に、かけがえのない存在だと言ってもらわなくてもいいのだ。
それはたった一人からでいい。
「あなたは、わたしにとって、なくてはならない存在なのだ」
と言われたら、もうそれだけで喜んで生きていけるのではないだろうか。
三浦綾子 1922~1999
小説家 代表作品『氷点』『塩狩峠』
三浦綾子さんは、敗戦がきっかけで、人も自分も信じられなくなり、自殺までしようとします。
しかし幼なじみの前川正さんのおかげで、ようやく、信じられる存在に出会えます。
ところが、まもなく、最愛の人、前川さんは病死。
悲しみの底に突き落された綾子さんは、肺結核とともにおこった脊椎カリエスのため、ベッドの上でギブスにくるまれて身動きできず、ただ泣くことしかできませんでした。
1年後、不思議なことがおこりました。
前川さんとそっくりの三浦光世さんがお見舞いのために彼女の病室に現れたのです。
「神様、この人のために自分の命を捧げてもかまいません。ですから、この人を治してください。」と祈った三浦光世さん。
「あなたは、わたしにとって、なくてはならない存在なのだ」というメッセージを綾子さんは、前川さんや光世さんを通して神様からいただいたのです。
13年間の闘病生活を終え、綾子さんと光世さんは結ばれます。
【出典】三浦綾子記念文学館編著『生きることゆるすこと 三浦綾子 新文学アルバム』(北海道新聞社)
『聖書』コリントの信徒への第一の手紙
愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。
まわりの人に愛がないと文句を言いたいなるとき、その愛を今の自分がどれだけ身につけているか、確かめてみる方法があります。
この文章に書かれた「愛」という主語のかわりに、「わたし」という言葉を入れて読んでみるのです。
わたしは忍耐強い。わたしは情け深い。ねたまない。わたしは自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。
どうでしょうか。
なんなく居心地がよくないどころか、なんだかウソをついているような気分になりませんか。
人に要求する愛を自分自身がもっていなかったことを、この文章は教えてくれるのです。
【出典】『聖書』コリントの信徒への第一の手紙 13-4~7