長崎市で教師だった頃、地元の長崎新聞のコラム「うず潮」に月に1度、3年間ほどエッセーを連載させていただいていました。
それまで教師として学級通信などを書くことはあったのですが、不特定多数の方に、自分の文章を読んでもらうことは、ほとんど初めての経験でした。
この得難い仕事を通して、私は文章を書くことにだんだん魅せられていきます。
当時は思いもよらなかったのですが、このエッセー連載を機に、教師をやめて、文章を書く仕事をすることになります。
その後、幸運にも本を何十冊も出版していただけるようになったのですが、ご紹介する新聞記事は、その原石となったのです。
この連載コラムをまとめた冊子の「はじめに」「目次」「編集後記・奥付」をご紹介します。
写真は、浦上天主堂（長崎市）。
冊子『うず潮』の「はじめに」
はじめに
この小冊子は、長崎新聞コラム「うず潮」に書いた３ヵ年分の記事を収録したものです。
「うず潮」は、「長崎新聞」の月曜日以外毎日掲載されている人気コラムです。現在も、老若男女、各界各分野で活躍されている方々が、ほぼ1ヵ月に1度の割合で健筆を奮っておられます。
なぜ、一私立小学校の一教員に過ぎない私のような者が、この「うず潮」執筆陣に加えていただけたのか、今だもって分かりません。ただ、確かに言えるのは、３年前の５月、長崎新聞論説委員会の方々が選出してくださったおかげだということです。
「うず潮」への文章を書くことは、難しいもののとても楽しい作業でした。その時、その時に大切だと思ったことを文字にしていったので、記事の連続性はありません。でも、読まれる方が生きることの喜びを感じとってほしい、と願い続けながら書いたものです。
おかげさまで、多くの方々から好評で、時にはお電話やお手紙をいただき感謝されることもありました。また、「あなたが書いたようなことを話してください」との講演依頼を受けることもありました。
連載は、特別のご配慮で１年間延長していただいた後、今年５月で終わりました。
これを機に一冊に収録しておき、記事を書くにあたってお世話になった方々にお送りしようと思いたちました。
一つ一つの記事を読み返しながら、自分は多くの方々から教えていただいたことを文字にしてきたに過ぎないなあと、改めて感じ入っています。
それでも、ここに収録された一つの文章でも、どなたかお一人の心にでも残り、お役に立てばとても嬉しく思います。
最後になりましたが、長崎新聞社論説委員会の皆様、特に田川邦男氏、林登紀雄氏、また精道三川台小・中学校校長、白根聖矢氏には原稿の手直し等でも大変お世話になりました。
厚く感謝を申し上げます。
２００１年６月２６日
中井俊己
目次
はじめに
生まれてこなければ 7月13日 (土) 1998年
あじさい劇場 7月24日（金）
親子野外レク 8月22日（土）
家事分担のすすめ 9月30日（水）
家庭で祈りを 10月30日（金）
文字を書く 12月13日（日）
幸せをさがす王様 1月19日（火） 1999年
聖なる丘にて 2月25日（木）
如己堂 3月23日（火）
家庭教育のヒント 4月21日（水）
見えないウルトラマン 5月23日（日）
『ファミリー』 6月26日（土）
愛を学ぶ所はどこか 7月29日（木）
長崎にいた愛の聖人 8月29日（日）
小事は大事 10月 1日（金）
死に向う生を考える 11月 4日（木）
もうすぐクリスマス 12月 4日（土）
「ハイ」と素直に言う心 1月 8日（土） 2000年
いつでも会える 2月 4日（金）
ファミリーフォーカス 3月 5日（日）
読み聞かせ 4月 4日（火）
皇后の読書 5月 3日（水）
心を育てる言葉 6月 4日（日）
奇跡～大きな愛のように～ 7月 8日（土）
テレビゲームと幸福 8月10日（木）
何のために ９月19日（火）
豊かさとは何か 10月26日（木）
役に立つ何かを 11月29日（水）
心を育てる 12月27日（水）
喜びを与える 1月30日（火）2001年
人の心に残る言葉 3月 3日（土）
この一冊「道」 3月13日（火）
ゆるす心 4月 3日（火）
道 5月 8日（火）
編集後記
編集後記・奧付
編集後記
百の言葉を並べてみても
一つの行いに かなわない
百の行いを重ねてみても
一つの真実に かなわない
そして 一番尊い真実は
目には見えないものだろう
それを見たくて見せたくて
人は文字を書くのだろうか
うず潮 （長崎新聞記事）
発行日 ２００１年６月２６日
発行者 中井俊己（編著者）
印刷所 精道三川台小中学校
長崎市三川町１２３４－１
℡ ０９５－８４５－６８４６
記事は、少しずつアップしていく予定です。
