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おばあさんと郵便局女子職員のいい話
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心温まるいい話、ある山村の郵便局に勤めている女子職員さんの話です。
見知らぬおばあさんが郵便局にやってきて、「この手紙を読んでくださいよ」
と葉書を差し出しました。
(おばあさんは、高齢のため細かい字が、読めなくなっていたのかもしれません)
女子職員は、やりかけの仕事をすばやくすませて、読んであげました。
(遠い都会に住む息子からの滅多に来ることのない音信だったのかもしれません)
すると、おばあさんは、「ありがとうございました」と礼を述べてから、窓口で葉書を一枚買い、「すみませんが、これにさっきの手紙の返事を書いてくだされや」と頼みました。
(おばあさんは、何かの事情で思うように文字が、書けなくなっていたのでしょう)
女子職員は少し驚いたものの、「ちょっと待っててね」と仕事を片付け、おばあさんの言うのを聞いて返事の葉書を書いてあげました。
月日が過ぎました。
女子職員は、おばあさんのことをすっかり忘れていました。
とある晴れた秋の日のことです。
例のおばあさんが、また突然に姿をあらわしました。
背中に負っていた風呂敷包みを「近くの山で拾った栗ですよ。この間のお礼です」と、窓口にボンと置きました。
「おばあちゃん、郵便局はお礼を受け取るところじゃないのよ」と女子職員が言うと、「なあに、山で拾ったんだから、よかんべさ」と笑います。
結局、栗は頂戴することにして、仕事が終わってから、職員皆で食べました。
それは、それはおいしかったこと。
女子職員は、ホカホカの栗を口にしながら、人の「親切」ということついて
思い巡らしました。
自分のしたささやな親切が、時を経ても、おばあさんが忘れずにいてくれたこと。
おばあさんの親切返しが、自分や職場の同僚にも、ささやかな幸せのぬくもりを広げたこと。
満ち足りた思いは、いつしか彼女の心からあふれでて、次のような言葉になりました。
「私は女に生まれてきました。
であるからには、やがて結婚し、妻になり母になるでしょう。
そこで考えたのですが、人にとって大切なのは、“親切”ということだから、私はこの世でいちばん親切な妻、いちばん親切な母になろうと思います」
これは、以前NHKの「青年の主張」で語られた女子職員さんの体験談です。
この女子職員さんは今頃どうしていらっしゃるでしょうか?
私の勝手な想像ですが、このような素敵な人をまわりの若い男性がほっておくわけがありません。(でしょう?)
その後、彼女はお似合いの心優しい青年にプロポーズされ、いまは幸せな妻、そして幸せな母となっているでしょう。
たぶん、いやきっと・・・。
親切にする人、親切を返す人は、祝福され、高められ、愛されるのだと思います。
自分の仕事を通して人が喜ぶことをしてみよう。
そのささやかな親切が幸せを広げます。 (^.^)
出典:草柳大蔵著『25歳までのマナーの本
男女職業を問わずさわやかに生きる方法』(大和書房)