浜口隆則著『戦わない経営』という本を読みました。
会社の経営者でなくても参考になる本だと思います。
普通のビジネス書と違って、詩のようなスタイルの短い言葉で、幸せについてつづっているのが特長です。
仕事を通して幸せになるための、心温まるビジネス書だと思いました。少し、ご紹介します。
会社がつくっているものとは?
この本にはいい言葉がたくさん出てきます。
たとえば、
「会社というのは、幸せをつくっている」
という言葉です。
それは、こういうことです。
たとえば、食べ物屋さんは、食べ物だけでなく、いっしょに幸せをつくっています。
食べ物屋さんは、食べ物といっしょに幸せを売ります。
その食べ物を食べたお客さんがハッピーになります。
お客さんが喜ぶと、社員もハッピーになります。
社員もハッピーになると、その家族や友だちもハッピーになります。
自動車会社も、電器メーカーも、出版社も、そうです。
会社や人は幸せをつくることができます。
分ければ増えていくものは?
ところで、私はよく思うのですが、
幸せを分け与えれば、幸せは増えていきます。
もちろん、物質は分ければ減っていきます。
でも、心の幸せは、分け与えても減りません。むしろ、増えていきます。
1つの例えです。
AさんとBさんが同じおいしいケーキをもっていました。
Bさんは、一人で食べてお腹一杯になりました。
「ああ、おいしかった」
ただ、それだけのことでした。
Aさんは、そのケーキを一人で食べるのではなく、友達三人に分けていっしょに食べました。
もちろん、ケーキという物質は、分けたのだから減りました。
Aさんが食べられたのは、四分の一のケーキです。
でも、精神的には豊かになりました。
友達たちは「ああ、おいしい。ありがとう」と喜んでくれました。
喜ぶ三人を見て、Aさんもハッピーになりました。
友達たちもAさんも、1つのケーキで喜びが生まれました。
Aさんにとっては、それだけで十分でした。
でも、さらに嬉しいことがあったのです。
数日後、そのうちの1人が、「たこ焼き買ってきたから食べる?」と言ってくれました。
他の1人が、「田舎から送ってきたみかん、いらない?」とみかんを分けてくれました。
別の1人が、「コンサートのチケット、あるんだけど、行かない?」と誘ってくれました。
こんなふうに、Aさんと友達のハッピーは続き、広がっていったのです。
さて、たぶんわたしたちも、心に幸せというケーキをもっています。
心の幸せは、本当の幸せです。
本当の幸せは、誰かに分けても、決して減りません。
むしろ、分ければ増えて広がっていくのです。
幸せを作ろう、分け与えよう。
幸せは分ければ増えていきます。(^.^)
作家も個人経営の仕事をしています。みんなが幸せになれる文章を書いて、分け与えていきたいと思います。
参考:浜口隆則著『戦わない経営』