いい考え方

お母さんからの愛、お母さんへの親孝行

「母親」「お母さん」に関することがテーマです。

お母さんとのことを赤裸々に綴った、感動的な本といえば、「2006年 本屋大賞」にも輝いた、リリー・フランキー著『東京タワー  オカンとボクと、時々、オトン』があります。

この本を読んで100万人の人が泣いたそうですが、私もその一人です。

「母親というものは」

この本自体も良かったのですが、この本に引用されている葉祥明さんの「母親というものは」という詩、これがまた良かったです。

短い詩ですが、何度読んでも、ジーンと来ます。

全文を引用してご紹介したいところですが、著作権がありますので、それはできません。

最後に少しだけ紹介しますが、是非、全文を読んでみてください。

葉祥明著『母親というものは』という詩集に原文が載っています。

どうか図書館などで見つけて、味わってみてください。

学校や家庭で子どもに読んであげるのもよいと思いますよ。

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親孝行について

ところで、教師時代の学級通信を読んでいましたら、5月に小学1年生に「親孝行」について指導している記述がありました。ご紹介します。

今月のモットーは、「親孝行」です。

「お家の人に感謝を表わそう」というクラスモットーを1年生には掲げています。

そういえば、昔、中学3年生が卒業する前に、一枚紙を配って、こんなことを言い、書かせたことがありました。

「入学してから、ご両親からどんなことをしてもらった?あるだけ書きなさい」

生徒たちは書き始めましたが、そのうち「あまりにも多くて書き切れない」と言い出しました。

しばらくして指示したのは次のようなことです。

「今まで、ご両親にどんなことをしてあげた?あるだけ書きなさい」

同じように生徒たちは書き始めましたが、何人かは一向に筆が進みません。
そのうち一人が呟きました。

「俺、考えてみれば、なあんにもしてやってないなあ」

この生徒が本当に何もしてやらなかったわけとは考えられません。
この生徒は、それまで親がしてくださった一つひとつのことを、それこそ無数の思い浮かべ、それに比べて自分のしてあげたことが、あまりにも少なかったことに気づいたのです。

親からしていただいものの大きさに比べて、子どもができることはいつも小さなことです。

それでも子どもなりに「親に感謝しよう。それを言葉と行ないに表わそう」というのがモットーの趣旨です。

いま、1年生には、終わりの会のモットーの反省などの時に、お家の人への感謝として、どんなことができたかを発表してもらっています。

「お祈りができました」「お手伝いをしました」「肩もみをしました」などがよく出てきます。

手はよく挙がりますが、時間的に一日三人ぐらいの発表としているので、それ以外の子がどうしているのかは、よく分かりません。

つきましては、これからの指導の参考といたしますので、ご家庭の方で
「この頃、こういうことをしてくれるようになったなあ」というお気づきがありましたら、別紙アンケートにご一筆の上、月曜日にお持たせください。提出は自由です。

1年1組学級通信「ホセマリア・アルバロ20」NO.27(5月16日発行)

月曜日に、ほとんどの家庭から、アンケートが返ってきました。

アンケートの返答

それを2回に分けて、学級通信で紹介しています。
そのうち3つをご紹介します。

自分がしてもらう事に感謝するようになりました。
そして、お手伝いを頼むと、とても喜んでくれるようになりました。
たとえば、洗濯物を畳んでくれたり、料理の手伝いをしてくれたり、お使いに行ってくれたりします。
また、「パパ、お仕事がんばってね」と言ってくれる様になりました。

「何かお手伝いすることない?」
これが最近の〇〇の口ぐせです。5月に入ってから彼は本当によくお手伝いをしてくれるようになりました。以前ならイヤがってしてくれなかった事でも「いいよ」と明るい返事で手伝ってくれます。

犬の世話、ゴミ捨て等小さなお手伝いなのですが、仕事に追われて忙しい私には大助かりです。

それから、もう一つ!私が仕事からくたくたになって帰ってくると「お疲れ様」と言って肩をもんでくれます。毎日です。その一言で疲れもふっとんで「よし、明日も頑張ろう」という気持ちになります。

お手伝いしてもらい「ありがとう。助かったー」とお礼を言うと、
「だって親孝行!お家の人に感謝を表わそうだもーん」とうれしそうに胸をはります。(中略)

PS.先日つくづく感心したのは、私が風邪が長引いて咳で苦しんでいた
ところ「ママの病気がはやく治りますようーに」と私の為にお祈りをしてくれてしました。うれしいものですね。

1年1組学級通信「ホセマリア・アルバロ20」NO.29.30より

こんなふうに小学1年生も、素直に親に感謝し、親孝行に取り組むことができます。

お母さんにしてもらったこと

さて、読者の皆さんにも、考えていただきたいと思いました。

★これまでどんなことをしてもらったのでしょうかお母さんに・・・

はい、わたしも自分なりに考えています。

すると、恥ずかしながら、わたしも中学生や小学生と同じだなあと気づかされます。

考えれば考えるほど・・・思い出せば思い出すほど・・・あまりにも多くのことをしてもらいながら、その万分の一もお返しできていない、と気づかされるのです。

わたしの場合、母に何かお返しをするどころか、いまだにしてもらうことが多いように思います。

むしろ母は、してやれることに生きがいを感じているかのようです。

母親というものは、そういうものなのでしょうか?

葉祥明さんは、こう言われています。

どんなに高価な贈り物より

我が子の優しいひとことで

十分過ぎるほど幸せになれる

母親というものは

実に本当に無欲なものです

葉祥明 著『母親というものは』より

お母さん、ありがとう。

お母さんに優しいひとことを、元気な姿を・・・

たとえお母さんが遠くにいても、天国にいても・・・ (^.^)

出典参考:葉祥明 著『母親というものは』(学習研究社)

リリー・フランキー著『東京タワー  オカンとボクと、時々、オトン』(扶桑社)

映画にもなり、第31回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞(2008年2月15日発表)
最優秀作品賞:「東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜」
最優秀主演女優賞:樹木希林
優秀主演男優賞:オダギリジョーなど受賞