「燃える秘訣」の話です。
「最近、やる気ないな~」
「つまんないな~」
「何か熱くなれそうなこと、ないかなあ~」
と言いたくなりそうな人におすすめです。
元祖「燃える男」長嶋茂雄とは誰か?
若い人はあまり知らないかもしれませんが、元祖「燃える男」として国民的ヒーローだったのは、元プロ野球選手長嶋茂雄さんです。
「長嶋茂雄って何者だろう?」
50数年前(?)、アメリカから、ある神父さんが日本に来て、新聞でこんな記事を見たそうです。
★小学生に聞いた世界で一番尊敬できる人物ランキング★
第3位以下は・・・
全然覚えていないそうです。
無理もありません。40年以上前の話ですから。
でも、第2位は、記憶に残ったそうです。
なぜなら・・・神父さんが敬愛する人物でしたから・・・
それは、イエス・キリスト
さて、その上には当然、第1位がいます。
つまり、イエス・キリストの上をいく人物がいたのです。
その「世界で一番尊敬できる人物」第1位が、
なんと、長嶋茂雄(!)
「な、なんだ、この長嶋茂雄という男は!?日本では、イエス・キリストより偉い男なのか!?一体、何者だ?」
と、神父さんは大いに驚いたそうです。(笑)
実は、この長嶋茂雄こそ、「ミスタープロ野球」と言われ、国民的ヒーローとなった元祖「燃える男!」です。
自分が燃えて、ファンを燃えさせた男
では、この元祖「燃える男」に「燃える秘訣」を学びたいと思います。
長嶋選手は、自分が燃えるだけでなく、ファンを熱く燃えさせる男でした。
「この場面でヒットを打ってくれー」
と思っているときに、見事、ヒットが打てる選手だったのです。
忘れもしません。
子どものとき、テレビで見て、感動した場面があります。
昭和43年9月18日。巨人、阪神戦。
巨人が序盤からリードし、5対0となった4回表。
3番・王選手に対して、阪神のバッキー投手が2球続けて死球寸前のボールを投げてきたのです。
いつも紳士的な王選手ですが、さすがにマウンドに詰め寄り抗議しました。
それを見て、両ベンチからも選手、コーチ陣が飛び出し乱闘。
この乱闘でバッキー選手と巨人の荒川コーチが退場となりました。
その直後、バッキーに代わって登場した権藤投手が、あろうことか王選手の後頭部を直撃する死球をぶつけてしまったのです。
担架で運ばれていく王選手を目の当たりにして、巨人軍ベンチも、スタンドのお客さんも騒然となりました。
しかし、4番・長嶋は、その中で一人じっと動きませんでした。
彼は、熱く熱く・・・燃えていたのです。
「ケンカとなったら、絶対に負けられない。プロ野球選手としてバットで借りは返す!」
直後、権藤投手の投じたカーブを打ち返し、35号の3ランを叩き込みました。
胸がスーとするような一撃でした。
さらに8回にも2ランを放ち、荒れた試合にひとりで決着をつけたのです。
これぞ、燃える男の本領発揮です。
不振のときも真剣勝負!
長嶋選手は、その華麗な守備はもちろん、打撃が不振なときも、空振りによってファンを魅了しました。
常に真剣勝負!
豪快な空振りの後は、必ずヘルメットが吹き飛んでいました。
実は、これは長嶋選手の演出でもあったようです。
わざとゆるめで、楕円形のヘルメットをアメリカから取り寄せ愛用し、ヘルメットの飛んでいく角度などを考えて練習をしていたのです。
「空振りをしてヘルメットがぶっとぶ。これがプロなんだという実感がお客さんの胸に迫るでしょう」
と、燃える男は、たとえ調子が良くなくてもお客さんを魅了する全身全霊のプレーを心がけていたのです。
たとえ三振でも、お客さんを喜ばせる、これこそプロです。
では、いよいよ、わたしたちは、この元祖「燃える男」にその「燃える秘訣」を学びたいと思います。
「最近、やる気がないな~」
「つまんないな~」
「何か熱くなれそうなこと、ないかなあ~」
と言いたくなりそうなときは、長嶋選手のこの言葉を思い出してくださいね。
長嶋選手はこう言いました。
「燃えることを忘れていたら、自分で自分に火をつける」
そうです。
人に何とかしてもらおうと甘いことを考えてはいけません。
自分で自分に火をつけるのです。
やる気がないときは、自分でやる気を出す!
つまらないときは、自分で面白くする!
熱くなれないときは、自分で自分を燃やす!
長嶋選手は、そうしていたのです。
ちなみに新人当時、長嶋選手は、デビュー戦で、国鉄の金田投手(後の400勝投手)に対して4打席4三振でした。
しかし、金田投手は、全打席、全力の空振り三振を見て、「次は逆にやられるかもしれない」と戦慄したそうです。
その年、新人の長嶋選手は、本塁打・打点の2タイトルを獲得。
打率は惜しくも2位でしたが、130試合に全イニングフル出場、最多安打、最多二塁打、最多塁打、最多得点も記録する大活躍。
もちろん満票で新人王となりました。
監督室に掲げていた詩
彼は巨人軍監督時代にも、東京ドームの監督室に掲げていた次のような詩を掲げて、座右の銘としていました。
明治~昭和時代の社会教育家、後藤静香氏の詩です。
本気ですれば
たいていな事はできる
本気ですれば
なんでも面白い
本気でしていると
たれかが助けてくれる
人間を幸福にするために
本気ではたらいているものは
みんな幸福で
みんなえらい
本当にそうです。
本気でやれば、できなかったことでもできるようになります。
本気でやれば、やっていることがだんだん面白くなってきます。
燃えないときは、自分で火をつける!
空振りも、全力で! (^.^)
出典:神辺四郎著『生きる勇気をくれる202の言葉』(双葉社)
長嶋茂雄さんの言葉
●「別に本塁打を狙っているんじゃありません。チャンスに必ず打てるバッター、これが私の夢なんです。」
●「ぼくはフォームで打つのではありません。気力で打つバッターです。」
●「ぼくは一年、一年、いや一打席に全てをかけて、倒れるまでやり抜いていくだけ。とにかく、ぼくは明日を目指して精一杯グラウンドに生きていたい。」