自分の言葉が人生を変える
人生を前向きで肯定的に感謝の心で生きるために、私が講演でいつも人に勧めるのは自分の言葉を変えることです。
誰でも、今日からすぐにできて、効果抜群の方法だからです。
言葉にはパワーがあります。
会社でも学校でも、まわりの人から 自分を否定されるような言葉を毎日言われ続けると、自信と自尊心をなくし、やる気もなくして落ち込んで本当にその人はダメになっていきます。
逆に、自分を肯定されることを言われ続けると、自信が湧いて、元気になって、やる気も出てきます。
そして、表情が明るく、いい顔になって、行動もイキイキしてきます。
マイナスの言葉にはマイナスのパワーが、プラスの言葉にはプラスのパワーがあるのです。
たとえ、ありふれた言葉であっても、たった一言でその人の潜在意識や気持ちや考えを変えます。
その一言を繰り返すうちにしだいにその人の習慣を変えます。
その一言でその人の人格や人生を変えてしまうのです。
仕事や人生を上向きに変えたいなら、できるだけそうなる言葉を使うといいのです。
自分の言葉を一番良く聞いているのは自分です。
自分の言葉に一番影響を受けるのも自分です。
前向きで肯定的な言葉が口ぐせになれば、あなたの意識や気持ちもかわります。
考えや行動が前向きで肯定的になり、うまくいくようになります。
私は以前『元気がでる魔法の口ぐせ』(PHP研究所)という本を書いて、おかげさまで多くの人に読んでいただき好評でした。
ある講演の後、84歳の女性が私のところにいらしてこのようにおっしゃってくださったことがあります。
「中井先生、あの本を5年前から毎日のように読んでいます。おかげさまで、毎日、明るく前向きな気持ちで生活でき、人間関係もよくなり、人生が変わりました。ありがとうございます」
84歳でも、口ぐせを変えれば人生は変わるということを、この女性から教えていただきました。
自分の運を悪くする、あまり使ってはいけない言葉というものは確かにあります。
人間関係のよくない人、仕事でうまくいっていない人は、時々こういう言葉を使っているなと気づくことがあるでしょう。
気づかなくても、そういう口ぐせは誰にでもあるものです。
以前の私にもたくさんありました。
悪い口ぐせに気づいたら、その言葉をできるだけ使わないようにお勧めします。
そして、それを良い言葉に変えていくのです。
であれば、きっとあなたに良いことがどんどん起こります。
以下、言葉で「若返る話」を続けていきます。
人は言葉で老けていく
「もう年だから」「もう若くない」「疲れた」という言葉をよく言う人が身近にいませんか。
その人は、若々しく見えるでしょうか?
私のまわりにも何人かいますが、そういう言葉をよく口にする人は、たいてい実年齢より老けて見えます。
ある年齢を超えると、頭が薄くなったり白髪が混じるようになったり、肌がくすんでシミやシワが目立つようになるのは普通です。
しかし、「もう年だから」「もう若くない」を口ぐせのように言う人は、見た目も行動もさらに老けて見えるのです。
なぜ、そうなるのでしょうか?
これは、脳科学や言語心理学でも説明できることです。
「もう若くない」「もう年だから」という言葉を聞くと、脳は、聞こえた言葉に合わせて、その人に意識や行動や身体を変えていこうとするからです。
言葉には、人の意識を変え、行動を変えるすごい力があるのです。
これを教育の面から、例えて補足しましょう。
親や教師から「お前はダメな子だ」と言われて育つ子が、「自分はダメだと」思い込み、何事もやる気をなくし、勉強や運動もしなくなり、精神的な病になり、体の健康を損なうことは珍しくあります。
それと同様に、人から「もう若くない」としょっちゅう言われば、その人は、「自分はもう若くないからダメだ」と思い込み、意識や行動や身体はだんだん委縮し老化していくのです。
老化を促進する言葉、「もう若くない」「もう年だから」を自分が言えばどうでしょう。
さらに良くありません。
なぜなら、人から言われた場合、「そんなことはない。私はまだまだ若い」と反論することができますが、自分が言う言葉には、ふつう自分は反論しません。
自分の思いとして発言された言葉はストレートに、自分の脳に届き、意識を明確にし、その結果、行動を変え、身体を変えていきます。
たとえば、「自分はもう若くない」「もう年だから」を言い訳のように口ぐせにすると、老化は促進します。
「自分はもう若くないから、若い人がするような新しいことは、自分にはできない」という人は、だんだん行動は委縮してしまいます。
「もう年だから、体に悪いところが出てきても当然、いまさら面倒なことはしたくない」と言って、健康の害となっている生活習慣、食習慣、運動習慣を改めないなら、高血圧、高コルステロール、動脈硬化、血栓などを引き起こします。
その結果、心筋梗塞や脳梗塞で倒れた人が私のまわりにも複数人います。
彼らの口ぐせは、「もう若くない」「もう年だから」でした。
あなたのまわりにも、そんな人はいないでしょうか。
老ける言葉をやめる
繰り返しますが、老化するよく言葉を使っている人は、老化が促進します。
それをストップするには、老化する言葉をやめればいいのです。
「私はもう年だから」「もう若くない」と言って、良いことがあるでしょうか。
気休めになることがあるかもしれません。
「自分はもう年だから、こんな面倒なことはしなくていい」
「自分はもう若くないから、今更、おシャレに気を遣う必要ない」
それはそれで、良いかもしれませんが、恐らく、ますます行動が鈍くなったり、本来の容姿とは違って残念な見た目となったりするでしょう。
また、「私はもう年だから」「もう若くない」と口にすれば、場合によって、人によっては、「そんなことない、まだまだ若いよ」と言ってくれるかもしれません。
けれども、まわりの人は黙ったままで、何のコメントもないこともあるのではないでしょうか。
本人の言葉に従って、改めて本人を観察すれば、なんだか顔のしわが増えてきたようだし、下腹もふくらみ、体の目方も動きも重たくなってきたのにも気づきます。
「確かに、年取ったな」「本人が言うとおりだ」と受けとめながら、何も言わないで黙っておくものです。
つまり、まわりの人は、ますます「あの人は、もう年だ」「もう若くない」と見るようになります。
場合によっては、人間としての評価が下がることもあるでしょう。
例えば、Aさんは40歳代ですが、「私はもう年だ」「もう若くない」が口ぐせの人です。
その言葉を聞く職場のまわりの人の反応は、冷ややかです。
というのは、Yさんは、「私はもう年だから」「もう若くなくないから」を言い訳にして積極的に新しいことにチャレンジしようしないからです。
簡単な作業でも、自分では重い腰をあげようとせず、面倒なことは何でも「若い者」にやらせようとするからです。「若い者」は、いい迷惑です。
このように「私はもう年だ」「もう若くない」などという言葉を、行動しないための言い訳にすれば、その言葉から人間性の評価を下げることになります。
また、愚痴っぽく話すのもよくないでしょう。
Bさんも40歳代ですが、仕事の合間の休憩や、昼食の時に聞かされるのは、「私が若い頃はね」という昔の自慢話、また「最近の若い子は、ダメね」という愚痴や不満です。
これは、本人が「もう若くない」と思っているので、ついつい口に出てくるのでしょう。
自慢話や愚痴を聞かされても、まわりの人は喜びません。
そして、だんだんまわりの人から敬遠されていくものです。
繰り返しますが、老け言葉は、その人を老けさせます。
さらに、まわりの人の評価を下げます。
できるだけ使わない方が、良いと思いませんか。
若返り言葉にチェンジする
「老け言葉」をやめて、「若返り言葉」にチャンジする、というのがこの記事の趣旨です。
老け言葉は、「後ろ向き」「否定的」「愚痴・不満」を感じられる言葉が多いです。
若返り言葉というのは、「前向き」「肯定的」「感謝」を感じられる言葉が多いです。
たとえば「もう若くない」は、老け言葉です。
過去(後ろ)を振り返って、過去の自分と比べて「若くない」と否定する愚痴や不満、あるいは言い訳です。
何度も言いますが、「後ろ向き」「否定的」「愚痴・不満」の言葉が人を幸せにすることはあまりないでしょう。
言っている本人もますますそう思い込み、聞いているまわりの人もいい気持ちがしません。
そのため、人間関係は悪くなり、ストレスが溜まります。
健康を害し、体はますます老いていきます。
否定的なことの一つとして、人の悪口や批判があります。
悪口や批判をする人は、たいてい怒っています。
眉間にしわがよっていたり、眉が吊り上げっていたりして、見苦しいものです。
怒る人は、顔にしわができやすくなり、顔の表情も老いていきます。
「若返り言葉」というのは、「前向き」「肯定的」「感謝」の言葉です。
まず自分の意識が若返ります。
表情も行動も若々しくなります。
人間関係も良くなり、ストレスもなくなっていきます。
「老け言葉」を多発していた頃の生活習慣を改めていけば、体は健康になり、健康寿命は延びるでしょう。
何よりも、毎日が楽しく幸せ、笑顔になれます。
「老け言葉」を「若返り言葉」に変えよう。
×「老け言葉」は、「後ろ向き」「否定的」「愚痴・不満」の言葉
例えば、「もう●●歳」「もう若くない」「もう年だから」「できない」
◎「若返り言葉」は、「前向き」「肯定的」「感謝」の言葉
例えば、「まだ●●歳」「まだまだ若い」「まだできる」
他にもたくさんあるので、後日ご紹介していきますね。