プラス思考を習慣にすると怒りが消えます。
イライラや怒りは、人間関係を悪くし、心身の健康を害し、仕事や人生にも悪影響を与えるマイナスの感情や行為です。
マイナス感情を抑え、コントロールする習慣をご紹介するのが、本記事の目的です。
怒りというマイナス感情を抑えるには、日ごろからプラス思考を習慣にするといいです。
そこで、いくつかのアイディアを提供します。
「前向きに悩む」とクヨクヨもイライラもしない
悩みは誰にでもあるでしょう。生きているのなら悩みが生まれて当然です。
悩むことは、決して悪いことではありません。
悩みには二種類あります。
前向きな悩みと後ろ向きな悩みです。
前向きな悩みは、現在や未来をより明るく変えることのできる悩みです。
新しい製品を開発している研究者やプロジェクトのメンバーは、あれこれ悩みます。
何度も失敗しながら、悩みます。
試行錯誤を繰り返しながら、悩みます。
そうして、ついにはすばらしい新製品を開発するのです。
悩むことがなければ、すばらしいものは生まれません。
一方、後ろ向きの悩みは、現在や未来を暗くしてしまう悩みです。
「ああ、失敗していまった」とクヨクヨする。
「どうしてうまくいかないんだ」とイライラする。
悩みのベクトルが過去に向くと、悲観的になったり怒りっぽくなります。
悩むときは、思いっきり前向きに悩みましょう。
「現状をよりよくするのはどうしたらよいのか」「この問題はどうすれば解決するのか」と考えるが前向きな悩みなのです。
人間が前向きに考えるとき、人間は自然界の中でちっぽけな存在ではありません。
思考できる尊厳さと高貴さをもつ者となるのです。
現状を打破し、新しい局面を切り開いていくために悩み、考えることは必要なことです。
悩む先に新しい未来が開けてきます。
●「どうしたらできるか」と前向きに悩む
ネガティブな考えをストップする3つの方法
怒りが続いてしまうのは、怒りを引き起こす事や人のことを考えてしまうからです。
つい考えてしまうのはしかたがありません。
でも、気づいたときには、考えるのをストップできるようにその方法を3つほどご紹介しましょう。
【考えすぎない方法1】 物理的に離れる。
たとえば、嫌なことがあったその場所にいけばその嫌なことを思い出すので、極力行かないようにします。
その思い出となる写真とか品物を目にふれないようにします。
生じる怒りの原因となるものから物理的・感覚的に離れるのです。
【考えすぎない方法2】 別のことをする。
「小人閑居して不善をなす」と言われるように、暇にしていると、良からぬことが頭に浮かんで時間を浪費し、怒りが湧いてくることがあります。
暇をもてあそばないように、常に何かをしている状態をつくります。
たとえば、好きな趣味に時間をたっぷりとってやるといいです。
汗をびっしょりかけるくらい体を動かせるスポーツで、心身ともにリフレッシュのもいいですね。
だれか前向きな友人と会って話をするのも元気がでます。
【考えすぎない方法3】
何度も何度も頭の中で同じことを考えてしまうのであれば、「紙に書く」ことをおすすめします。
そうしてたまっているものを吐き出してガス抜きするのです。
すると、出してしまうとすっきりします。
書いたものは誰にも見せる必要はありません。
どこかにしまっておいて、あとで捨ててしまえばいいです。
そうして、怒りと「さよなら」するのです。
●怒りの対象となることを考えすぎるのはやめる
ポジティブに考えるとうまくいく
同じ出来事があっても、自分次第でネガティブにもポジティブにも考えることができます。
物事は、ポジティブに考えるとうまくいきます。
たとえば今から営業に出かけようとする矢先、急に雨が降ってきました。
ネガティブ思考の営業マンは、こう思います。
「いやだな、雨の日は交通渋滞になるし、車を降りて歩くときに傘をさしてもスーツがぬれるし、天気の悪い日は先方も何かと気分がさえなしだろし、こういう日に営業をしてもダメだろうな」
ポジティブ思考の営業マンは、そうは思いません。
「雨か、いいぞ。雨の日に動き回る他社の営業マンは少ないし、この前は『雨の日までご苦労様、お宅熱心だね』と社長さんがねぎらいの言葉をくださり注文が取れたこともあったし、これは恵みの雨だ」と前向きに考えます。
ネガティブ思考の営業マンは、言葉の調子も表情も暗く、交渉相手に不信感を与えてしまいます。
一方、ポジティブ思考の営業マンは、前向きかつ明るい調子で、相手を自分のペースにのせてしまいます。
うまくいくのは、当然のことながら、ポジティブ思考の営業マンです。
ポジティブ思考の人は、その状況を積極的・肯定的にとらえ、その状況のおかげでうまくいくと信じ、行動できる人です。
そして、その状況を与えられたことを感謝もします。
ですから、明るく前向きに行動し、結果的に成功するのです。
●日頃からポジティブに考えるくせをつける
たくさん「ある」、いろいろ「できる」
自分に「ないもの」よりも、「あるもの」に注目すると、どれだけ自分が恵まれているかがわかります。
自分に「できないこと」よりも、「できること」を見ると、自分に自信がもてるようになります。
スペイン人の友人が交通事故で首の下から全部の神経を損傷し、車椅子の生活を送るようになりました。
とても明るいスペイン人の中でもとりわけ明るいので、まわりの人は彼を見ているだけで励まされます。
「事故でそんな体になったのに、どうしてそんなに明るいのですか」
と聞かれて彼はこう答えました。
「ケガをして失ったものは、確かにあるよ。でもね、それは億万長者が千円を落としたようなものだよ」
この人は、自分がもっているものがどれだけたくさんあるか知っているのです。
首の下の体が動かなくても、食べることもできるし、話をすることもできる。
本を読むことも、音楽を聴くことも、テレビを見ることもできる。
おまけ彼は、息を吹きかければカーソルが動くコンピュータで、みんなを励ますための本も書いてしまいました。
体の一部の機能が失われても、それよりもさらに大きな精神的な部分、自分の心、自分の意志、自分の理性、自分の愛などが失われるわけではありません。
ましてや、命はそのまま。
普段は気づきにくいけれど、人は本当にたくさんのものをもっているのです。
自分に「あるもの」「できること」を考えると、怒りではなく感謝の気持ちがわいてきます。
●「あるもの」「できること」を1つ1つ考えてみる
不利な状況でも考え方次第で運がよくなる
たとえ不利な状況にあっても、考え方次第で、怒りや悲しみが生まれるどころか感謝の気持ちが生まれます。
そういう人は運がよくなる人です。
経営の神様松下幸之助さんは、幼い頃、父親が破産したのでお金もなく、一家十人は故郷和歌山を捨てて離散したので帰る家もありませんでした。
ろくに学校に通えず、小学校も四年で中退したので学問もありませんでした。
また、幼い頃から病気がちで体が弱い人でした。
家族のほとんどは結核で亡くなっています。二十歳で肺尖カタルを患ったときには、自分もか、と思ったそうです。
しかし、この「ないない尽くし」の状況の人物がわずか五十年の間に、たった三人で始めた零細企業を従業員十万人の世界的企業にしました。
彼は自分が成功したのは「運がよかったから」としばしば答えました。
彼にとって、貧しく、学問がなく、体が弱いことは、決して運が悪いということにはなりませんでした。
幼い頃から貧乏をして辛い思いを経験させてもらったおかげで、人を物心両面にて豊かにすることを考えて、成功したのだと考えました。
自分には学校に行けなかったおかげで、賢い人たちの話をよく聴いて、みんなの知恵を集めて成功したのだと考えました。
自分は体が弱かったおかげで、人に助けてもらい、成功できたのだと考えました。
運の強い人は、自分の体験や置かれた状況を決して悲観的にとらえるのではなく、楽管的・積極的に考えます。
松下幸之助さんは、貧乏も、学歴のなさも、病弱だったことも、自分にふりかってくるものをすべて受け入れ、「自分は運が強い」とポジティブに解釈しました。
運の強さは気持ちの持ち方によって変わります。
物事や状況を前向き・肯定的に考え、感謝する人は、怒りや悲しみに悩まされるどころか、運が良くなっていくのです。
●不利な状況でもプラスに考える
失敗の後で幸運が来る
はじめからうまくいく人なんていません。
だれでも失敗の連続だったのです。
ノーベル医学・生理学賞の山中伸弥教授も若い人たちにおっしゃっていました。
「失敗すればするほど幸運は来る。若い間に、いっぱい失敗して、挫折してください。1回成功するには、平均9回くらいは失敗しないと。人生も実験もそうだ。若い間に、いっぱい失敗するのは恥ずかしいことではない」
若い頃からスポーツで骨折10回以上、「じゃまなか」と言われて邪魔者扱いされた研修医時代、ノイローゼ・うつになった研究医時代、実験での数え切れないほど多くの失敗・・・。
それでもあきらめにずチャレンジし続けた先にノーベル医学・生理学賞という大きな幸運が待っていたのです。
成功するためには、準備期間が必要です。
大きく飛躍するには、それなりの長い助走が必要なのです。
一回失敗すると一歩成功に近づきます。
失敗すればするほど成功に近づくのです。
前向きにチャレンジする人には、失敗ではなく、教訓となります。
失敗から多く学ぶ人の夢は実現します。
ホンダ自動車の創立者、本田宗一郎氏は言いました。
「世間は私を成功者だと言うが、とんでもない。私がこれまでやってきた99%のことは失敗ばかりだった。成功したのはわずかに1%だけですよ」
本田さんは、難しいことでも失敗を恐れず、チャレンジしてきたから前進し成功してきたのです。
あなたの失敗も将来の成功につながります。
●失敗を恐れずにチャレンジする