いい言葉

イラッとしたときやさしい気持ちになれる5つの言葉+α

イラっとしたりムシャクシャしたりしたとき、やさしい気持ちになれる言葉を味わってみましょう。

ご飯を食べるとほっとしたり落ち着いたりするように、良い言葉はあなたの心の糧になり、穏やかな気持ちを取り戻せます

自分が正しいのに・・・と思うとき

ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし、そして、そのためにかならず自分も深く傷つくものです。

漫画家・絵本作家・詩人 やなせたかし

泣く子も笑う『アンパンマン』の生みの親、やなせたかしさんに哀悼を意をこめて・・・

やなせさんが絵本『あんぱんまん』(はじめはひらがな)を出したとき、
大人からの評判はよくありませんでした。

砂漠で飢え死にしそうな旅人のところへあんぱんの顔をしたヒーローが
飛んできて、自分の顔を食べさせるというストーリー。

これまでのヒーローのように勇ましく戦うわけではなく、かっこよくも強くもありません。

「くだらない」と言われ、「図書館には置くべきでない」と酷評されたそうです。

でも、やなせさんは、自分の戦争体験から、飢えた人は救うべきで、
いつの世にもひもじい人を助けるヒーローが必要だと考えていました。

自分の顔を分けあたえてでも、人を生かす自己犠牲の精神を描きたかったのです。

大人には不評だったこの作品は、意外にも、子どもたちには大人気となり、絵本もテレビも映画も大ヒット。

その人気は何十年たっても衰えることがありません。

「傷つくことなしに正義は行えない」というやなせさんのメッセージは、
子どもたちに受け入れられ続けているのです。

私たちにも自分が正しいのに」と思っても、受け入れてもらえないときはあるものですね。

自分が傷ついても、本当に正しいのなら、きっと誰かが認めてくれます。

きっと誰かが受け入れてくれます。

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【出典】やなせたかし著『何のために生まれてきたの?』

 

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自分の心はせまいと思うとき

先日、映画『レ・ミゼラブル』(ああ無情)のDVDを観て、感動しました。

そこで、原作者ヴィクトル・ユーゴーを調べたところ、素晴らしい名言がいっぱいありました。

私が好きな言葉をご紹介します。

人間は鎖をひきずって
あるくためにではなく、

翼をひろげて
天翔るためにつくられている。

 

友よ、逆境にあるときは、
つねに、こう叫びなさい。

「希望がある、希望がある、
まだ希望がある」と。

 

夢、これ以外に将来を作りだすものはない。

 

生きている者とは、
闘っている者だ。

運命の高い険しい峰を
よじ登る者のことだ。

 

わたしの考えは、
いつも前進するということだ。

つねに夜明けの方を、開花の方を、
誕生の方を見ようではないか。

さすがに文豪です。

さて、1つ面白い話があります。

ユーゴーは、苦労して書いた『レ・ミゼラブル』の売れ行きが心配で心配でたまらなくなって出版社に手紙を書きました。

「?」という一文字だけ書いた手紙です。

それに対して、出版社からは「!」(驚くほどの売れ行きだ!)という一文字だけの返事が返ってきたそうです。

この話は「世界最短の手紙」として知られています。

ところで、テーマは「自分の心がせまいと思うとき」でしたね。

ユーゴーはこう言っています。

海よりも広いものがある。
それは空だ。

空よりも広いものがある。
それは人の心だ。

ヴィクトル・ユーゴー

「人の心!」

人の心は、どこまでも広くなるのです。

自分次第で・・・。

私たちは空よりも広いものをもっているのです!

人間として・・・。

試しに『レ・ミゼラブル』を観て、心の広さを感じてはいかがでしょうか。

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映画『レ・ミゼラブル』(アカデミー賞3部門受賞。世界の映画賞を多数受賞。2012年興行収入No.1 。「オペラ座の怪人」を抜き、国内ミュージカル映画歴代1位を記録。ミュージカルを普段見ない私も2時間半、画面にクギ付でした。)

 

本当は何を望んでいたのか知りたいとき

「仮に、あなたの命があと3時間で尽きるとしたら、お子さんに何を伝えたいですか?紙に書いてください」

株式会社アビリティトレーニングの代表取締役
木下晴弘

この言葉は、木下晴弘さんが塾講師として、お母さんたちに投げかけてきた質問です。

木下晴弘さんは、関西の大手進学塾で「授業は心」をモットーに、学力も人間力も伸ばす指導で生徒、保護者から絶大な支持を得てきた人です。

「命があと3時間で尽きるとしたら・・・」
という立場に置かれると、お母さんたちは、考えこんでしまいます。

医者や高級官僚になってほしいとか、○○大学に入ってほしいとか・・
そういう思いは消えてしまうのです。

あなたなら、紙に何と書くでしょうか。
(お子さんがいない人は、愛する人に何を伝えたいでしょうか)

お母さんたちの場合は、ほぼ共通しているそうです。

命があと3時間で尽きるとしたら、伝えたいのは次のようなことです。

「人の痛みのわかる心優しい人になってほしい」
「人のために役立ってほしい」
「人と喜びをともに喜び、悲しむことのできる人になってほしい」
「人から慕われる立派な人間になってください」

母親がわが子に望んでいるのは、ただわが子の幸せです。

猛勉強をして偏差値の高い学校に入らなければダメだとか、人を蹴落してでも競争に勝たなればダメだとか、もともとはわが子の望んでいなかったことに気づくのです。

そう気づくと、母親の気持ちは穏やかになり、子どもへの接し方が変わっていくのです。

さて、あなたにも考えてもらいたいのは、「自分の命があと3時間で尽きるとしたら、何を伝えたいですか?何をしたいですか?」ということです。

何を伝えたいですか?
何をしたいですか?

そういう考えながら生きると、本当に大切なものが見えてくるかもしれません。

そして、いつしかやさしい気持ちがわきあがってくるでしょう。

もし、私の命が3時間で尽きるとしたら・・・

たぶん、これまでお世話になってきた人たちに、「これまでいろいろとありがとうございました」と感謝しに行くでしょう。

そして、やはり何か最後に伝えておきたいことを書き残しておくでしょう。

もしかしたら、このブログを書いているかもしれません。

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【出典】木下晴弘著『ココロでわかると必ず人は伸びる』

ミスとした相手に怒りを感じてしまうとき

愛徳は「与えること」以上に、「理解すること」にある。

だから、隣人を判断する義務のあるときは、その人のために言い訳を探してあげなさい。

必ずあるはずだから。

聖ホセマリア・エスクリバー

怒りには怒りが返ってきます。

仕事で小さなミスをした人に、「おい、またか、何度言えばわかるんだ」

内心は辛い思いをしている本人を責めても、恨みを買うだけです。

また、約束の時間に遅れて来た人に、「また、遅れて来たのか」
腹を立ててもあまりいいことはありませんね。

だれでもミスをします。

自分もかつてミスをしたことがあったのを、思い出すべきです。

そして、相手が何かミスしたら、その人の言い訳をさがしてあげましょう。

…仕事が山のようにたまって、見直す時間もなかったのかもしれない。

…体調が悪くて、遅れてしまったのかもしれないな。

きっと言い訳があるはずです。

それがわかれば、その人のミスに対する怒りもおさまります。

注意したいことがあれば、怒りがおさまってから言えばいいのです。

穏やかに、一対一で、手短に。

すると、たった一言で聞き入れてくれることもあるのです。

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【出典】聖ホセマリア・エスクリバー著『道』

 

なんだかムカムカ腹がたったとき

「ママ、腹がたったら鼻から息を大きく吸って、口からはくと落ち着くねんで・・・胸に天使いっぱいやで」保育園に通う子

朝日新聞の投稿欄に掲載された「天使吸い込めば幸せ」というタイトルがついていた実話です。

保育園に通う子がお母さんに教えてくれたそうです。

「ママ、腹がたったら鼻から息を大きく吸って、口からはくと落ち着くねんで」

お母さんは、いまはやりのロングブレス呼吸法のことかなと思いながら聞いていたそうです。

「そしたら鼻から天使がいっぱい入ってきてな、胸にいた悪魔が逃げていくねん。

今日、腹がたつことがあってさ……。悪魔がおったけど、ゆっくり息吸って、ゆっくりはいてん。

落ち着いたわ。胸に天使いっぱいやで」

お母さんは、その後、子どもに素敵な話をしてくれた先生に感謝したと書いていらっしゃいます。

なんとも微笑ましいでしょう?

天使を胸いっぱいにして帰った男の子が、お母さんに得意気に教えてあげるのも微笑ましい。

それを聞いてお母さんが

「この子は、またそないなアホなこと言うて、天使なんか、胸にいてるわけないやろ」なんてことは言わず、

保育園の先生に感謝して、子どもの成長を親としてちょっぴり誇りに思うのも微笑ましいです。

このお母さんは、最後にこう書いていらっしゃいました。

「これからも嫌なこと、腹が立つこと、いろいろあると思うけど、大きく息を吸ってはいて、胸を天使でいっぱいにして乗り越えていけるといいなあ」

この言葉は息子への願いでありながら、自分自身にも語りかけているかのようです。

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【出典】中井俊已著『イラッとしたとき やさしい気持ちになれる本』