イラッとするのは、だれにでもあるものです。
すぐに収まればいいのですが、長く怒りが続けば、ストレスが溜まり、人間関係は悪くなり、健康にもよろしくありません。
心に怒りの感情がなく、気持ちが穏やかなら、人間関係も良くなり、仕事にも好影響です。
そこで、この記事では、日常に起こり得る「イラッ」のケースに対応できる3つの原則についてお話しします。
どんなことにイラッとするのでしょうか?
実は、これからお話することは、”すてきなアラフォーは「イラッと上手」”という取材記事がもとになっています。
『Marisol(マリソル)』という女性ファッション誌で、女性向けの記事ですが、お伝えしているのは原則ですので、男性にも応用できます。
ストレス社会という昨今、「アラフォー」と言われる方(30代後半から40代の女性)は、どれくらいの頻度でイラッとするのでしょうか?
同誌編集部が、ウェブ会員300名にアンケートをとったところ、一日に一度以上イラッとする人が7割くらいでした。
なるほど・・・。
では、どんなことにイラッとするのでしょうか?
アンケートの結果では・・・
1位 店の接客や電話対応が失礼!
2位 夫や義父母……。身内の言動に怒!
3位 公共の場でのマナーが悪い!
4位 会社の後輩の態度が悪い!
5位 子供がわがまま!
6位 友人が時間にルーズ
と、まとめてありました。
なるほど、なるほど・・・。
では、では、そんな「イラッ」としたケースで、アラフォーの方々はどのように対処法されているのでしょうか?そのアンケート結果もありました。
一番多かったのは、「感情をぐっと抑えてやりすごす」45.8%。
おお、そうですか。これは賢いです。
怒りを爆発させるより、何倍もいいです。
でも、これが多くなると、ストレスが溜まってしまいますね。
怒りの感情が解決できたわけではないでしょう。
原則をもって解決する
そこで、私の取材では、「イラッと上手」になるために前記1から6位の中の(読者から寄せられた)12のケースに、それぞれどう具体的に対応すればよいかということを教えてほしいということでした。
女性はやはりこのような細部を大切にされるのでしょうから、1つずつ時間をかけて、がんばって丁寧に答えましたよ。
ただ、読者の個々のケース(悩み)に答えるのは、この場合必要で大切ですが、自分自身の場合は、原則をもって、すべてのケースに当てはめています。
原則を知っていれば応用が利くのです。
私が人様の個々のケース(悩み)にお答えできるのは、自分の中に基準となる考え方・行動の原則があるからです。
「イラッとした感情(怒り)やイライラをコントロールし解決する原則」を心がけていれば、そもそも「イラッ」とすることが、ほとんどなくなるのです。
そこで、この【ブログ】では、様々な「イラッ」のケースに対応できる3つ原則について、お話ししようと思います。
原則1 相手をすぐに変えようとしない
もちろん人間は変わるのですが、期待通りには、なかなか簡単には変わってくれません。
特にこちらが怒っているときには・・・。
イラッとさせる相手を変えようとすると、すごいエネルギーと時間が必要です。
あなたが正しいことを言っても、相手も感情的になり、多くの場合、期待通り受けとめてもらえないどころか、反感を買うこともあります。
であれば、変わらない相手に、ますますイライラが募るでしょう。
売り言葉に買い言葉で、口論になることも・・・
それよりも自分の気持ちをコントロールするほうが(比較的に)簡単ですし、これから先も応用がききます。
相手に言いたいことがあれば、怒りが収まってから、穏やかに伝えたほうが、聞き入れてもらえることのほうが多いです。
原則2 相手や状況を理解するように努める
イラっとした感情が起こったろきは、相手への理解を深めるチャンスでもあります。
どうして、そんなことをしてしまうのか。
どうして、いつもこうなのか。
相手の立場や事情、理由や言い訳を考えてみるのです。
怒りをぶつけるのではなく、相手を理解しよう、できれば助けてあげようという気持ちで、穏やかに相手に尋ねてみるといいでしょう。
すると、いろいろとわかってくるものです。
実は、その人の家族はいま大変な病気。
その心配や看病疲れで、遅刻してきたりとか、仕事でミスをしてしまったりとか、何か理由があったりするのです。
また、その人も自分の欠点に気がついていて、直そうと努力しているけれど、うまくいかないで、悩んでいるということがわかったりします。
相手の事情や気持ちが分かれば「イラッ」とした気持ちがだんだん消えていくものです。
原則3 謙虚に自分自身を省みる
イラッとしたら、自分にも同じようなことはないか、または別のことでも人をイラッとさせるようなことをしてきたのではないか、と考えるよい機会です。
たいてい誰にでもあります。
ただ、気づいていなかったり、忘れたりしてしまうのです。
自分がある面で未熟だったとき、仕事に不慣れだったとき、ものすごく忙しかったとき、疲れたりしていたとき、心配事で頭がいっぱいだったりしたとき・・・など、まわりの人をイラッつかせるようなことがあったはずです。(私にはたくさんありました)
また、自分で欠点に気づきながら、自分をなかなか改めることができない、そういうこともあるのではないでしょう。(私にはいまでもあります)
「自分もそういえば・・・そんなことがあったなあ」と気づく。
さらに、欠点や失敗を繰り返してきた自分もこれまで許されてきたんだと気づくと、人にも少しやさしい気持ちになれるものです。
まわりの人への感謝の気持も生まれるでしょう。
すると、イライラは消えていきます。
こんなふうに、日頃から、できるだけ謙虚かつ感謝の気持ちで生活するように心がければ、イライラに悩まされることはほとんどなくなっていきます。
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【出典】2014年12月号『Marisol(マリソル)』(集英社)