2015年12月17日、マザー・テレサが「聖人」に列せられることが発表され、2016年9月4日に列聖されました。
「聖人」として認められるには、2つの「奇跡」の認定が必要です。
そこで、ある人から「ということは、マザー・テレサは奇跡をおこなえるのですか?」という質問がありましたので、お答えします。
マザー・テレサの1つ目の奇跡
結論から言うと、マザー・テレサ自身は奇跡をおこなえませんが、マザー・テレサに取り次ぐことで奇跡は起きます。
これについては後で詳しくご説明します。
まず、マザー・テレサが列福(福者になること)されたときに、1つの奇跡が認定されています。
それは、非カトリックのインド人女性モニカ・ベスラの治癒です。
1998年、彼女は34歳の時、腹部の腫瘍を患い病んでいました。。
シリグリ( 西ベンガル州) のR.N .Bhattacharya 医師は、腫瘍は7ヶ月の胎児と同じ大きさだったと証言しています
「すぐに手術しなければ、ベッドの上で死んでしまうと思いました」
しかし、患者はひどい貧血症も煩っていたために、手術は不可能。
医学的治療では治る希望がなくなった時、彼女は神の愛の宣教者会が経営する「死に行く人のための家」に行くことを思いつきます。
マザー・テレサの帰天一周年の次の日に、彼女はその家の礼拝堂に連れて行ってくれと頼み、足を運びました。
「礼拝堂に入ると、マザー・テレサの写真が目に入りました。そのとき、あたかも一条の光が私に向って飛び出たように感じ、私は体が麻痺したように感じました。その後、シスターたちは私のためにお祈りしてくれて、私は眠りにつきました。朝の一時に目が覚めると、腫瘍がなくなっていたのです」
その突然の完全な治癒は医者たちを驚かせました。
その後、その医師たちは自分たちの診断が間違っていなかったと強調して、あらゆる必要な証拠を提出しました。
つまり医学的に治るはずのない病気が数時間で治ったのです。
マザー・テレサの2つ目の奇跡
「貧民街の聖女」マザー・テレサ、聖人に( 2015年12月18日「読売新聞」より)
インドのスラムで貧者救済に生涯をささげ、1979年にノーベル平和賞を受賞した修道女マザー・テレサが、カトリックで最も崇敬される「聖人」に列せられる見通しとなった。
ローマ法王庁(バチカン)が17日、法王フランシスコが聖人認定の要件
となる二つ目の「奇跡」を承認したと発表した。
聖人となるには、2度の「奇跡」を起こしたとの証拠が必要。
マザー・テレサは、ブラジルで昏睡こんすい状態だった男性を回復させた「奇跡」が新たに認められた。
マザー・テレサは1910年、バルカン半島スコピエ(現マケドニア)生まれ。
18歳でカトリック修道女となり、孤児や病人のために尽くした。
「貧民街の聖女」と呼ばれ、97年に87歳で死去した。
聖人は信仰生活の模範とされ、先々代の法王ヨハネ・パウロ2世などが列せられている。
原則として、殉教者以外で、この世で聖なる人として生涯を送った人が聖人として認められるには、死後、2つの奇跡の認定が必要です。
多くの場合、奇跡とは医学的に治癒不能の病気が、ほぼ一瞬で治ったというようなものです。
そのためには複数の医師の証言と長い時間をかけた綿密な調査が不可欠です。
この度、認定された2つ目の奇跡は、2008年に脳腫瘍で危篤状態にあったブラジル人男性のために妻がマザー・テレサに祈った結果、起こったものです。
このように、マザー・テレサに祈って、医学的に治癒不可能な病気が治ったことが「奇跡」として認定されたわけですね。
しかし、調査はされておらず、公になっていない「奇跡的な出来事」は、マザー・テレサの帰天後、世界中でたくさん起こっていると思います。
【心の糧】読者、さかもとさんに起こった奇跡的なこと
12月25日にさかもとさんから私にいただいたメールです。
先日、絵本『マザーテレサ 愛と祈りをこめて』を購入し、息子と読みました
少しだけ、エピソードを書きます
先日、小5の息子が、頭が痛いといって苦しみだしました。
いつも元気一杯の彼が、涙を流しながら、頭が痛い、耐えられない、といって数時間も、もだえています。
わたしは、息子の頭痛が治るようにと心で祈りながら、身体をさすり続けました。
息子に、「心を落ち着けて、痛みと話をして、大丈夫だよ、といってあげて」と、精一杯の看護を続けていました。
そのような状況のなか、アマゾンで注文したマザーテレサの絵本が届きました。
そして、私と息子は一緒に絵本を読むことにしました。
息子の体をさすりながら、私がゆっくりと、読み聞かせをします。
絵本には純粋な心がたくさん詰まっていて、読み聞かせている私が涙してしまいました。
ゆっくりとした、心地よい静寂の時間が過ぎていきました。
息子には何が伝わっているのでしょう。
そして、奇跡が起きました。
息子が突然、吐き気がする、
と全身の力を振り絞っておなかのものを吐いたのです。
水を飲むコップすら自分で持てなくなるくらいに、
全力ですべてを吐き出しました。
そして、今までの頭の痛みが嘘のように無くなり、いつもの元気な息子に戻りました。
わたしは、マザーテレサの絵本を通じて、息子の心と体が神様につながり、人間の本来の力で、ばい菌を外に出したのだ、と感じました。
治ったあとに息子が、この絵本のおかげだ、といって繰り返し繰り返し読んでいました。
息子は今日も元気一杯です。とても不思議な体験でした。
さかもとかずや
さかもとさん、ありがとうございます!
お子さんが治って良かったです。
しかも、「絵本のおかげだ」と治ったお子さんが絵本を「繰り返し繰り返し」読んでくれているのもうれしいです。
きっと、さかもとさんと息子さんの祈りが聞き入れられたのだと思います。
「マザー・テレサは奇跡をおこなえるか」の答え
では、「マザー・テレサは、奇跡をおこなえるのですか?」というご質問に、もう少し詳しくお答えします。
答えは、厳密に言うと、NOです。
マザー・テレサ自身は、奇跡をおこなえません。
これは正統的なカトリックの教えですので、カトリック修道女でもあったマザー・テレサ自身の考えでもあります。
「マザー・テレサ、あなたは奇跡をおこなえるのですか?」
と聞けば、
「いいえ、私が奇跡を起こしているのではないのです」
と答えるでしょう。
では、マザー・テレサに祈って、なぜ奇跡が起こった(起こる)のでしょうか?
それは、マザー・テレサがその人の祈りを仲介者として、神様に取り次いでくださったからです。
奇跡をおこなえるのは、神様だけです。
いま天国にいるマザー・テレサは、私たちの祈りを聴き、「神様、あの人が苦しんでいます。助けていただけないでしょうか。お願いします」と取りなしてくださったわけです。
その願いを神様は聞き入れ、奇跡が起こる(起こった)のです。
もちろん、マザー・テレサに祈ったからと言って、必ずしも聞き入れられるとは限りません。
でも、神様はマザー・テレサを通して、少なくとも2度、奇跡を起こしてくださったことのです。
そして、これからも起こしてくださるでしょう。
さかもとさんのご家庭に起こったような個人的な「奇跡」も起こるでしょう。
個人的なことですが、私がマザー・テレサの本を出版できたのも「奇跡的な出来事」だと考えています。
ほとんど人は、あなたは作家だから当然でしょ、と思うかもしれませんが、当時、私は長崎に住む普通の教師だったのですよ。
聖人に祈ると何かが変わります。
まず、自分の心が変わります。
さらに、自分の力を超える出来事も起こるかもしれません。
関連して・・・宝くじと努力と祈り
宝くじを買ってもほとんどの場合、当たりません。
でも、買わないと絶対に当たらない。
買えば買うほど当たる確率は増えます。
努力も宝くじと似ています。
努力しても、目標(例えば志望校合格)に届かないことがあります。
でも、まったく努力しないと達成できない。
努力すればするほど達成しやすくなります。
祈りは努力に似ています。
祈っても願いは叶わないことがある。
でも、祈らなければ、まず叶わない。
祈れば祈るほど、(誰かが祈ってくれればくれるほど)叶いやすくなります。
たとえ自分の思い通りにならなくても、心の平安、落ち着き、願ってもない良い結果が得られるものです。