夢に向かってやる気を高める言葉を味わってみましょう。
ご飯を食べると元気がでるように、良い言葉はあなたの心の糧になり、勇気や知恵がわき上がってきます
困難な問題があるとき
わたしは困難なことを問題とは呼びません。
むしろ、チャンスと呼びます。
マザー・テレサ
新しいことにチャレンジすると、誰もが困難に出会います。
しかし、できないということではありません。
マザー・テレサも、たった一人でスラムに出て、貧しい人々を助ける活動をしたとき、困難の連続でした。
お金もないし、仲間もいないし、理解もされませんでした。
自分の無力さを思い知り、苦しみました。
それでも、謙虚に神の助けを願い、笑顔で仕事をしていったのです。
ヒンズー教の寺院の境内で、死にそうな人の看護をしているときには、
宗教が違うという理由で「出て行け」「殺すぞ」と言われました。
それでも、神の望まれるまま、自分のできることを心をこめて行なっていったのです。
困難に出会うと、人は自分の弱さを知ります。
しかし、謙虚に助けを求め、力を尽くすことで時間はかかっても、必ず乗り越えていけます。
そうして、人は成長し、次々と願いを実現していけるのです。
チャレンジしてダメだったとき
「絶望するって、神に背を向けることよ」
ルーシー・モード・モンゴメリ著『赤毛のアン』
世界的名作『赤毛のアン』を生み出した作家ルーシー・モード・モンゴメリの話をします。
実は、『赤毛のアン』は、もしかしたら、存在しなかったかもしれないのです。
モンゴメリは、教師や新聞記者を経て、作家になった人です。
詩や短編小説を書いて何度か出版したことがあるのですが、それまで長編小説を書いたことはありません。
あるとき、元気な少女が主人公の長編小説に挑戦しました。
掃除、洗濯、食事のしたくなど家事の合間に、台所や寝室で、彼女は力をふりしぼって作品に取り組みました。
「きっと素晴らしい本ができる」
そう信じて書き上げた原稿をモンゴメリは胸の高鳴りを抑えることもできず、馴染みのカナダの出版社へ送りました。
ところが、不採用。すぐに返却されました。
そこで彼女は、また別の出版社へ送りました。
ところが、また不採用。
結局、5社に送って、すべて不採用でした。
「あんなに一生懸命書いたのに・・・」
モンゴメリは、落胆しました。
自分も、自分の作品もすべてが否定された気持ちになり、もはや泣くことしかできませんでした。
そして泣くだけ泣いたあと、その原稿を古い帽子の箱につめてしまうのです。
月日が経ち、以前のように詩を書いたり家事に精を出したりしているうちに、あの不採用の原稿のことはすっかり忘れてしまいます。
ところが、何ヶ月もがすぎたときでした。
荷物をさがしていたら、偶然、その原稿をみつけたのです。
懐かしくてページをめくるうちに、どんどんと物語に引きこまれていきます。
「この作品はダメじゃない。もう一度ためしてみよう」
そう思った彼女は、カナダの出版社がダメなら、アメリカの出版社ならどうかと送ってみることにしました。
正解でした。
しばらくすると、採用の通知がきたのです!
その作品は出版されるとアメリカでベストセラーとなりました。
カナダでもベストセラーになりました。
日本でも花岡花子さんに翻訳され、『赤毛のアン』は、大人気となりました。そして、世界の名作の1つとなったのです。
もしも、モンゴメリがあのボツ原稿をそのままにしていたら、「もう一度ためしてみよう」とチャレンジにしなかったら、『赤毛のアン』は存在していなかったかもしれません。
あきらめるのは、まだ早い。
一度や二度、NOと言われても、ダメではないのです。
可能性はあるのです。
美しい花、大きな花、たくさんの花として咲く可能性があるのです。
夢や目標があいまいなとき
明確な目標や願望を持たない人に、成功はあり得ない。
ナポレオン・ヒル
「夢を紙に書くと現実になる」と多くの成功者が言います。
皆さん、実体験からそう言っているのです。
『夢は、紙に書くと現実になる! 』(ヘンリエッタ・アン・クロウザー著・野津 智子訳)という本も出ているくらいです。
わたしは、死ぬまでに一冊くらい本を書いて出版するのが夢でした。
自分には本一冊を書く文章力はないし、まったく無名だし、当時、長崎という地方に住んでいたし、それは遠い将来にできるか、できないかの話だと思っていました。
それでも、「本を出版したい」という夢をいつも手帳に書いていました。
そして、ほぼ毎日、それを見ていました。
毎日、見ていると、潜在意識に刻まれます。
「本を出版したい」「どうすればいいのか」という意識が常にあるわけです。
すると、頭の中のアンテナができて、本屋や図書館に行っても、街を歩いていても、人と話していても、そのアンテナにひっかかる情報がどんどんやってきます。
本を出版するために何をすればいいのか、少しずつわかってきます。
その少しずつわかってきたことを、少しずつ実行していったのです。
すると、1冊の本が誕生しました。
すると、2冊になり、3冊になり・・・いま70冊以上です。
あなたも夢を叶えたかったら、まず紙に夢をはっきり書くという具体的な行動を取ることをお勧めします。
書くのは、ノートでも手帳でも一枚の紙でもいいのです。
そして、書いたことを毎日見るといいです。
すると、夢は実現しやすくなります。
書くのは、毎日、見るだけでワクワクするような夢がいいです。
実現する様子を思い浮かべると元気になれる夢。
そのために行動するのが楽しくなる夢がいいです。
夢のゴールを決めるとき
ゴールを少し先にする。
村瀬 登志夫
「ゴールを少し先にする」という言葉についての村瀬さんの短い解説を読みながら、小学生の頃、100メートル走で先生に言われたことをふと思い出しました。
「もうすぐゴール、もう終わりだと思うと、全力で走っているつもりでも、無意識に力が抜けてしまうものだ。体は疲れているからね。すると、ゴール前でスピードが鈍って、タイムが伸びなくなる。だから、ゴールは、テープより5メートル先、10メートル先だと思って走りなさい」
つまり「ゴールを少し先にする」ということです。
水泳平泳ぎでオリンピック2大会2種目連覇した金メダリスト、北島康介選手のことも思い出しました。
北島選手も、泳ぐときゴールを少し先にイメージしていました。
彼のゴールは、200メートル泳いで、壁をタッチすることではありませんでした。
泳ぎ終わって、顔を上げ、電光掲示板を見上げて、ガッツポーズをする。
それが彼のゴールだったのです。
そんなイメージをもって練習し、試合に臨むと、記録が伸びていったし、試合にも勝てたそうです。
人生には節目、節目があり、自分で決めた目標、夢もあると思います。
現在の私は、本を1冊でも多く書いていくのが夢であり、目標です。
作家の仕事は、書いて終わりではありません。
出版するのがゴールではありません。
その先にゴールがあるのです。
ゴールは、読んだ人に喜んでもらえること。読んだ人の幸せです。
ですから、何冊書いても、まだまだゴールは先にあるような気がします。(笑)
きっとあなたにも、夢や目標があると思います。
あなたのゴールはどこにあるのでしょうか。
「ゴールを少し先にする」と、あなたの力をもっと発揮できるでしょう。
夢や目標を実現しやすくなるでしょう。
そして、きっと人生がもっと面白くなります。
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【出典】村瀬 登志夫 (著) 『生き方が変わる、心のサプリメント101錠』