紹介する言葉は、偉人や賢人の言葉・名言・格言など、きっと心に響き、そして心の糧になる言葉です。
ちょっとした空き時間や待ち時間に、スマホなどで読めるように短い解説を加えています。
これらの素晴らしい言葉にふれ親しむことで、あなたは生きる勇気が湧いてくるでしょう。
渡辺和子の言葉
この世に「雑用」という用はありません。
私たちが用を雑にした時に、雑用が生まれます。
渡辺和子 1927~
カトリック修道女
渡辺和子さんは、若い頃、アメリカの修道院で研修中、まず皿並べの仕事をまかされました。
しかし、毎日、皿並べの仕事をしているうちに、かつてキャリアウーマンとしてバリバリ仕事をこなしていた彼女は、嫌になってしまったそうです。
渡辺の様子を見ていた修道院長さんにはそういう不満がわかったのでしょうか、こう言われたそうです。
「あなたは、一枚一枚のお皿を並べるときに、それを使う人の幸福のために祈っていますか?」
渡辺さんは驚きました。
いままで、そういうふうに考えて皿を並べたことがなかったからです。
しかし、そういうふうにまわりの人の幸せを願い祈りながらしてみると、どんなに小さな仕事にも価値があるように思えてきました。
そして、自分も充実した気持ちになっていることに気づいたそうです。
マザー・テレサの言葉
たいせつなのは
どれだけたくさんのことをしたかではなく
どれだけ心をこめたかです。
マザー・テレサ 1910~1997
カトリック修道女
マザー・テレサは、その生涯で、たくさんの偉大なことを成し遂げました。
たくさんの貧しい人、孤児、病人を愛し、助けの手を差し伸べました。
インドのコルコタでたった一人で始めた活動は、世界中に広がり、いまも彼女を慕う人々に受け継がれています。
けれども、彼女はもともとたくさんことをしようと思っていたわけでありません。
ただ、心をこめて目の前にいる人ひとり一人に奉仕してきたのです。
わたしたちも、まわりの人に奉仕できないでしょうか。
たった一言、ほほえみ、小さな親切・・・。
あなたのおこなったことがわずかなことでも、小さなことでも、そこにあなたの心がこもっていれば、きっと大きな価値が生まれるのです。
【出典】『マザー・テレサ 愛のことば』(女子パウロ会)
アンネ・フランクの言葉
もし神様が私を長生きさせてくださるなら、
私はつまらない人間で一生を終わりたくありません。
私は世界と人類のために働きます。
アンネ・フランク 1929~1945
ドイツ生まれのユダヤ人
第2次世界大戦中、ヒトラーの命令によってナチスはユダヤ人を迫害し、数え切れないほどのユダヤ人の命が犠牲となりました。
その中に、わずか15歳のアンネ・フランクもいました。
彼女は、密告によって強制収容所に送られるまでの約2年間の隠れ家での生活中に日記を書きました。
その日記には、彼女が決して未来への希望を捨てることなく、どんなときにもくじけない前向きに生きる姿が書き残されていました。
彼女の死後、その日記が見つかり出版されました。
そして、全世界でベストセラーになりました。
彼女の残した言葉は、世界と人類のために、いまも働いています。
【出典】アンネ・フランク著『アンネの日記』(文藝春秋社)