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いま自分にできること(放課後等デイサービスにて)

先日、神戸市で評判の良い児童福祉施設を見学させていただきました。

この施設の中心的リーダーで、職員を上手にまとめ、保護者からの信任も厚い先生のお話を聞きながら、いろいろと勉強になることがありました。

この施設の特長の1つは、この先生を中心に家庭(保護者)との連携を強めていることです。

ただ、「24時間体制で、お母さんたちをサポートしています」という言葉を聞いて、敬意を抱きつつも、多少心配になりました。

心配になったのは、この先生のことです。

いま情熱にあふれ、明るく快活なこの人、そして家族、この先、大丈夫だろうか?
一番サポートを必要としているのは、この先、この人自身じゃないのかなと。

というのは、数年前、縁あって相談にのることになった人のことを思い出したからです。

ある臨床心理士さんとの話から

「よく自殺したいと言ってくる人がいるんです。その人にどう答えてあげたらよいでしょうか」

というのが相談内容でした。

その人は慶応大学医学部大学院を経て、民間企業で臨床心理士として働いていた明るく快活な人でした。

話をしながらすぐに気づいたのは、その人が相談したかったのは、実は自分自身のことでした。

自分の仕事上の悩みと価値について、臨床心理士としての適性について、上司からのストレス、小学生の娘さんの不登校について・・・。

この人は、多くの人の悩みを聴いて一所懸命サポートしてあげていたけれど、自分の苦悩を聴いてくれる人が身近にいなかったのです。

目の前で涙ながらに語る言葉を受けとめながら、この人ほどに心理学の知識をもち技能に長けている人でさえ自分の心を癒せないのなら、世の中に苦しんでいる人はどれだけ多いかと思いました。

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マザーテレサから学んだこと

私たちは、自分がもっていないものを人に分け与えることはできないと思います。

私が尊敬するマザーテレサは、物質的には何ももっていなかったけれど、目には見えないものをあふれるほどもっていました。

自分が弱くて小さくて、一人では何もできないことを知っていたので、謙虚でした。
「日々、祈らなければ私には何もできません」と言っていました。

彼女は日々の祈りによって、苦悩をうけとめられ、全存在は肯定され、万人の応援にも勝るエールをもらっていたのです。

彼女はたくさんの人を救おうとしたのではなく、目の前の一人ひとりに手を差し伸べました。

与えることができたのは、彼女自身が日々いただいていた恵みや愛や慈しみでした。

祈りつつ目の前の人と向き合う、そういう彼女のやり方が私には合っていると思います。

いま自分にできること

私自身は、いま居る放課後デイサービスの児童指導員として勤務し、1か月経たばかりです。

世の中に、災害、事故、病気、怪我、貧困、虐待、不登校、家庭内暴力、家庭内不和、学校でのいじめ、職場でのパワハラ・セクハラ、性的暴行、自己否定感、自殺未遂、大切な人との死別、死への恐怖などなどで、苦しんでいる人は大勢いることを感じつつも、自分にできることはほんのわすか、限られています。

いま自分が置かれた場で、祈りつつ目の前の子どもに向き合うことが求められているように思います。

あなたの中の最良のものを(マザー・テレサ)マザー・テレサは、その生存中から世界中の人に慕われ、尊敬された人でした。 宗教、民族、年齢、性別、社会的地位などにいっさい関わりなく、...