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周囲を責めるより
自分を充実させる
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反抗的な高校生の娘を諭した、母親の言葉です。
その言葉が自分の生き方を決めたのだと、後に、娘は語っています。
その娘とは、現在ジャーナリストとして大活躍中の櫻井よしこさん。
新聞社のインタビューで、櫻井さんはこう尋ねられました。
「櫻井さん、取材と講演で全国を飛び回る、そのエネルギー源はいったい何ですか?」
彼女はこう答えました。
「高校のころ、父親に反抗しました。吸い方も知らないのに煙草を口にしてみたりしていたとき、母親から言われました。その言葉が自分の生き方を決めたかもしれません」
その言葉?
母のその言葉とは・・・
「一日は24時間しかないし、人間のもっているエネルギーは大体同じだけしかないのよ。
くやしい、つらい気持ちがあっても、自分のエネルギーは前向きに使いなさい。
どんな人も幸せになる権利があるのよ。
あなたは周囲をせめるより自分をもっと充実させなさい」
彼女のエネルギッシュで品性のある生き方を決めたのは、この母親の言葉だったのです。
もちろん、反抗期にいる高校生の子どもが親の言葉を言葉だけで納得するはずがありません。
お母さんには、その言葉を裏付けるものがあったのだと思います。
きっとお母さん自身が、くやしい、つらい気持ちを前向きのエネルギーに転じながら生きてこられたのでしょう。
人を責めるのでなく、人を許し幸せを願うように努めてこられたのでしょう。
母親がそういう心持で日々の生活を営んできたことを櫻井さんは、幼い頃から目にしてきたはずです。
その心持を母親が娘のために言葉にしたとき、悩む娘の窮地を救い、娘に生きる方向を指し示したのです。
エネルギーと時間を人も自分も幸せになるために使おう。
そういうことを身近な人に言える自分でありたい・・・
出典:岩田 寿夫 『心を育てる言葉の贈り物』(学事出版)
●おまけ●
櫻井よしこさんの「いい言葉」
「やがてはゴミになるような物を集めるより、宝石に負けない健康な心を集めたい」by櫻井よしこ
「人生で一番限られているもの、それはお金や物でなく、時間だ」と櫻井さんは言います。
「自分に与えられた時間をどう使うかで、人生の豊さが決まってくる」とも言います。
今日を与えられたことに感謝して、この時間を前向きに使っていきたいと思います。
出典:『PHP』2003年12月特別号「私の幸福論」より