新型コロナウイルスのために、大学生も含み、日本の子どもたちは、2ヶ月、3ヶ月も学校に行けない日々を送ることになりました。
かつて、このような伝染病による強制された休暇を有効に活用した偉人がいました。
万有引力の法則を発見した数学者、アイザック・ニュートン(1642~1727年) です。
日本の子どもたちも、いまの強制された休みを無駄にすることなく、活用してほしい。
そう願ってお届けします。
未熟児で両親の愛を知らなかったニュートン
ニュートンは、イギリスの農家に、産婆から「この子は長生きしないだろう」と言われるほどの未熟児として生まれたそうです。
生まれる前に父親が死んでしまったので、父親の顔は知りません。
母親は3歳時に再婚し、幼くして祖父母の家にあずけられていました。
ですから、ニュートンは両親からかわいがってもらった記憶はほとんどないのです。
農家をつぐことを期待されていたので、学校にもなかなかかよわせてもらえませんでした。
でも、ニュートンは、勉強がしたかったし、いろいろなことに興味があったのです。
そんなニュートンのようすを見て、母親は農家をつがせることをあきらめ、大学まで行かせてくれました。
ペストに負けず、画期的な業績をなす
17世紀イギリスを襲ったペストのため、ケンブリッジ大学が一時閉校となり、学生だった1665〜66年の2年間、ニュートンは郷里の農村で生活するように強いられました。
強制的に研究の場から締め出されたこの期間をニュートンは、「創造的休暇」と呼びました。
数学、物理学、天文学などの領域において達成した画期的な業績のすべては、この2年間に基礎が置かれたからです。
万有引力を発見したのも、この休暇中です。
よくニュートンのことを紹介するときに、家の庭でりんごが落ちているのを見て、万有引力の法則を発見したという話をされますね。
万有引力の法則とは、重さのある物はすべて、他の物を引きよせる力があるということです。
りんごは、ニュートンの前だけではなく、だれの前でも落ちています。
なぜ、ニュートンだけが引力を発見できたのでしょう?
それは、時間を無駄にしなかったから。
まわりのことに興味をもって、ひたすら注意深く観察し、考えていたからです。
けっして、恵まれた子ども時代をすごしたわけではないニュートン。ペストによって学びの場から締め出されたニュートン。
でも、好奇心をもちつづけ、考えつづけたから、歴史を変えるような発見ができたのです。
「私が価値ある発見をできたのは、才能があったからではない。ただただじっと注意を払いつづけていたからだ。」
byアイザック・ニュートン(1642~1727年 イギリス)