水野敬也著『夢をかなえるゾウ』シリーズは、累計400万部を超えるベストセラーシリーズです。
笑えるほど面白い。そして泣ける、かつ生きる勇気や知恵が湧いてくる自己啓発小説。
私自身、もう一度読みたくなって、そして人にも薦めたくなる本です。
まったく知らない人に大雑把に説明するなら、主人公の元へゾウの神様ガネーシャが現れていくつかの課題を出し、それを解決することで人生にとって重要なことを教えてくれる、ちょっと変わった小説です。
ガネーシャは、ハチャメチャですが、愛嬌のある神様。ギャンブル好きで甘い食べ物も大好物、賞賛されると舞い上がり、なぜか関西弁を話す、人間臭い神様です。
しかし、課題を出すにあっては、著名人の言葉を巧みに引用しながら、良いことを教えてくれるのです。
特に、今回ご紹介する『夢をかなえるゾウ4』は、シリーズ最高傑作だと思いました。
シリーズと第4巻の特長
このシリーズは、各巻によって、主人公も場面設定も違うので、どの巻からでも読めます。
各巻の主人公は、
1巻では「やりたいことも見つからない平凡な会社員」
2巻では「万年売れないお笑い芸人」
3巻では「仕事も恋もあきらめきれない女性社員」
4巻では「妻と娘を何よりも愛する平凡な会社員」
ぞれぞれにテーマも違いますが、第4巻では、「死を見つめた生き方」でしょう。
全巻のうちで、一番泣けますし、感動的です。
出版社の内容紹介にはこうあります。
家族を愛する会社員。
彼は夢は「このままの日常がずっと続くこと」。
しかし彼は余命3か月を宣告されてしまう。
残り3か月で家族のために一体何ができるのか。
さらに事態は思わぬ方向に展開し、衝撃のラストへ――。
夢をかなえるゾウシリーズ史上、
最高に笑って泣ける、自己啓発エンタメ小説、第4弾!
では、少しだけあらすじをご紹介します。
あらすじ(少しネタバレ)
余命三か月で死神に取り憑かれた主人公(平凡なサラリーマン)の元に、ガネーシャが現れます。
主人公は愛する家族(妻と幼い娘)のために何ができるのか、死んでからも、愛する家族をどうやって幸せに生活できるようにするか悩みます。
たくさんのお金を残そうと決めますが、ガネーシャはそれとは関係のないような課題ばかりを与えるのです。
例えば、「健康に良いことを始める」や「人に会ってわだかまりをとく」や「身近な人に感謝の言葉を伝えること」や「死ぬまでやりたいことリストを作る」など。
最初に「教えが理解できなくても必ず実行する」と手帳に書かされていたこともあり、主人公は、ガネーシャのむちゃくちゃぶりに戸惑いつつ疑問をもちながらも、それらを忠実にこなしていくのですね。
そして、主人公が最後に死ぬことを受け入れた矢先、あっと驚く、感動的なラストが待っています。
これは、ここでは明かせません。是非、読んで味わってください。
死ぬまでにやりたいこと
ガネーシャが教えてくれた「課題」は21個ありました。
ほとんどはやっていることでしが、私が初めて実行してみようと思ったのは、「死ぬまでにやりたいことリスト」を作るでした。
早速、手帳にいくつか書きました。
書いてみると、自分が死ぬまでにかなえたい「夢リスト」であることに気づきました。
カンタンにできることもあれば、難しいものもあります。
今日できるものもあれば、どれだけ時間がかかるかわからないものもあります。
でも、死を意識して残りの時間でかなえたいことのリストが目の前にあると、時間は有効に活用できます。
やりたいことをするのに臆病になったり、理由もなくガマンしたりしない。
「やりたいこと」ができたらリストから消して、新しい別の「やりたいこと」を加えてもいいでしょう。
「やりたいこと」が、どんどんできていきます。
きっと充実した毎日を送ることができるでしょう。
みなさんにも、是非おすすめしたいです。
死に際して後悔しないために
ガネーシャと共に主人公の側にいた「死神の教え」のうち、「人間が死に際に後悔する十のこと」も重要でしたので、引用させていただきます。
「人間が死に際に後悔する十のこと」
本当にやりたいことをやらなかったこと
健康を大切にしなかったこと
仕事ばかりしていたこと
会いたい人に会いに行かなかったこと
学ぶべきことを学ばなかったこと
人を許さなかったこと
人の意見に耳を貸さなかったこと
人に感謝の言葉を伝えられなかったこと
死の準備をしておかなかったこと
生きた証を残さなかったこと
死神は、主人公もこういったことで後悔しないように、自分の生き方を見直してみよと教えてくれているのです。
主人公は、余命三か月と知らされていますが、私たちのほとんどは、自分の人生の残り時間を知りません。
でも、確実にタイムオーバーはやってきます。
死に際して、悔いのない有意義な時間の使い方をしたいと、私も願っています。