いい習慣

「腹八分目で医者いらず、腹六分目で老いを忘れる、腹四分目で神にちかづく」

昔から「腹八分が健康に良い」、「食べ過ぎは良くない」と言われますね。

さらには、「腹八分目で医者いらず、腹六分目で老いを忘れる、腹四分目で神にちかづく」と言われますが、どうなんでしょう?

「腹八分目に医者いらず」は、「健康を維持するために、満腹になるまで食事を摂らず、八分目程度で食べるのをやめたほうが良い」という意味です。

英語にも「Light suppers make long life.(軽めの夕食は長寿の源)」という、同様の言葉があります。

これは、経験上、本当です。私も実践してみて感じています。

これまで、おいしいものを必要以上食べ過ぎてしまう傾向がありました。

教師を辞めてから、デスクワークが多くなり、運動も減り、そのくせ同じように食べていたら、血糖値、コルステロールなどが、やや高めになってきました。

そこで、ここ数年「腹八分から腹六分」「炭水化物を控えて野菜を多く食べる」などを心がけています。

その結果、少しずつ体重が減ってきて、10キロのダイエットに成功。お腹がへこみ、スリムだと言われるようになってきました。

健康診断でやや高めだった、血糖値、コルステロール、血圧など、問題がなくなりました。血管年齢は、実年齢より10歳若く、骨密度は20台から40台の平均値と同様と言われています。

運動する(歩く)機会も増えて、仕事で子どもたちと鬼ごっこをして30分程度走り回っても、疲れません。

毎日、体調はとても良いです。

では、「腹八分目で医者いらず、腹六分目で老いを忘れる、腹四分目で神にちかづく」を医学者たちはどのように言っているのでしょうか?

「腹八分目で医者いらず」

腹八分目の食事が、なぜ健康にいいのでしょうか。

その科学的な検証が、1980年代から世界各国で盛んに行われてきました。

ラットなどの小動物を対象に、食事の量を一定に制限したグループと、好きなだけ食べさせたグループとの平均寿命を比較する研究です。

日本で行われた研究のひとつでは、食べ放題にしたマウスの平均寿命が74週であったのに対し、食事の量を80%に制限したマウスは122週と、1.6倍以上に延びたことが東海大学医学部のから研究報告されています。

より人間に近いサルを対象としたアメリカの試験では、30%のカロリー制限(腹七分目)によって、体脂肪、血圧、血糖値、中性脂肪値などが改善されたことが報告されています。

その後、さまざまな研究から、食事制限によって、血管障害を防ぎ、細胞の老化を遅らせることができるということが確認されるようになりました。

それ以降、人間での実証実験もさかんにおこなわれ、食事制限をしたほうが、血糖値、コレステロール値、血圧など生活習慣病に関連する数値が、ほとんどすべてにわたり減少したのです。

その結果、がんや動脈硬化による血管障害(高血圧、脳卒中、心筋梗塞など)、さらに糖尿病など多くの生活習慣病の予防に、「腹八分目」の効用が指摘されるようになったのです。

「腹八分目」を実践している人の体は、数値的に健康体で、がんや動脈硬化による血管障害(高血圧、脳卒中、心筋梗塞など)、糖尿病になりにくくなくなります。

そのため、「腹八分目に医者いらず」という言葉は本当だといえるでしょう。

実は、この「腹八分目で医者いらず」の続きがあります。

PR

「腹六分目で老いを忘れる、腹四分目で神にちかづく」

5000年の歴史を持つ、ヨガの教義なのだそうです。

「腹四分目で神にちかづく」はどうかと思いますが、「腹六分目で老いを忘れる」これも本当でしょう。

近年、「1日1食が健康にも老化防止に良い」「16時間断食で老化が防げる」ということが盛んに言われています。

これらは、国内外の多くの医学者が検証を重ね(自らの体で実践し)、論文や本を書いて、広く広まってきました。

例えば、「16時間断食」は、身体に16時間食べ物(栄養)を入れず飢餓状態を作ることで、自らの成分などを分解し細胞が活性化するというものです。

この細胞の活性化を「オートファジー」と言い、肌の再生や病気の予防(未病)、体質改善などにつながると言われ、数年前より注目を浴びています。

「自ら(Auto)」を「食べる(Phagy)」という意味を持つ「オートファジー(Autophagy)」。

2016年に東京工業大学の大熊良典栄誉教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したことで広く知られるようになりました。

細胞を内側から新しく作り替えるというオートファジーは、人だけでなく動物や植物、酵母に至るすべての真核生物すべてに備わっている細胞内の浄化やリサイクルシステムです。

必要なエネルギーを自然界から得られなくなった時は、自分の身体の中にあるものをエネルギー源として細胞を活性化させるのです。

オートファジーの効果

オートファジーが活性化すると、細胞内のタンパク質を分解して再利用、古い細胞や身体の中の老廃物をもエネルギーに変え、消費されることがわかっています。

「細胞内のリサイクル」とも言われ、私たちの身体のさまざまな体質改善が期待されます。

【オートファジーがもたらす健康効果】をピックアップします。

・自己免疫力が高まる 
・病気の予防(がん・高血圧・認知症などの未病)
・不眠改善
・寝起きが良くなる
・老化を遅らせる
・肌ツヤが良くなる
・便通が良くなる
・アレルギーの軽減 など

私は、「16時間断食」や「1日1食」は、まだ積極的に試していませんが、科学的な根拠があることはわかります。

福山雅治さん、斎藤工さん、ビートたけしさん、タモリさんなど有名人で、「1日1食」を実践して、健康な身体を維持されている方もたくさんいらっしゃるそうです。

「食事と健康」「食事と老化」について考えていく価値はあります。

間違いなく確実な方法 

ご参考までに、引用します。

間違いなく確実な方法 食べる量を減らせ

私は約25年にわたって老化を研究し、何千本という科学論文を読んできた。そんな私にアドバスが1つあるとすれば、「食事の量と回数を減らせ」である。

長く健康を保ち、寿命を最大限に延ばしたいなら、それが今すぐできて、しかも確実な方法だ。

デビッド・A・シンクレア、マシュー・D・ラプラント著『LIFESPAN(ライフスパン): 老いなき世界』P.171

【参照】『SWITCH(スイッチ)オートファジーで手に入れる究極の健康長寿』『LIFESPAN(ライフスパン): 老いなき世界』『「空腹」が人を健康にする』