泣きながらパンを食べたことのない者、夜な夜な涙で枕をぬらしたことのない者には、人生の本当の味はわからない。
ゲーテ『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』(第二巻第十三章)
泣くことは、人間にとって自然なこと、そして成長していく上で大切な行いです。
私たちは、人生の節目節目で泣いてきたのではないでしょうか。
私たちは泣きながら・・・
生まれたとき、私たちは泣いていました。
新しい世界にふれ、不安だったのか、恐かったのか、それとも嬉しかったのか、自分の感情を思い切り声に託して、体全体をふるわせ、涙を流したのです。
私たちは、それからも泣きました。
困ったとき、何かを欲するとき、私たちは泣き声をあげました。
自分の体が痛むとき、心が痛いとき、私たちは泣きました。
自分のしたことを激しく悔やむとき、謝罪の言葉とともに涙が出ました。
誰かの温かい気持ちにふれ、感謝の気持ちとともに涙があふれ出ました。
大事な時に力を尽くせなかったとき、泣きました。
力を尽くしても思いが叶わなかったとき、泣きました。
大好きな人と別れるとき、泣きました。
大好きな人が死んだとき、泣きました。
他の人の悲しみや痛みがわかるようになると、その人に心を寄り添い泣きました。
本を読んで泣き、歌を聞いて泣き、話を聞いては泣きました。
そうやって私たちは、少しずつ成長してきたのです。
そうやって私たちは、いまも人間らしく生きています。
涙を流すとき・・・
感動のまま涙を流すとき、自分の心が洗い清められるような気がします。
それは美しく尊い涙です。
感情を押し殺すのではなく、あふれるがままにするなら、前より元気になっている自分に気づきます。
泣くことは、生きること、成長していくこと。
泣くことで、私たちは、人間らしく生き、愛する人たちともつながっていけます。
人は泣きながら生まれてきます。
そして、泣くたびに新しい自分に生まれかわるのかもしれません。
読めば感動して涙が出てくる本があります。
映画もあります。
涙を流せることは、幸せなことです。
泣ける本、泣ける映画など
これまで投稿した本や映画で泣けるものをご紹介します。