いい習慣

良い習慣が成功の秘訣(オグ・マンディーノの名言『地上最強の商人』から)

「失敗者と成功者のただひとつの違いは、習慣の違いにある」

オグ・マンディーノをご存じでしょうか。

オグ・マンディーノ (1923~96)は、世界で3000万冊以上の自己啓発書を発行している著述家・講演家です。

日本でも『十二番目の天使』『この世で一番の贈り物』など多くの本がベストセラーになっているので、ご存じの方は多いでしょう。

先の言葉は彼の最初の作品、名著『地上最強の商人』からの引用です。

『地上最強の商人』は、次のような設定で始まります。

『地上最強の商人』とは

宮殿にそびえるドームのてっぺんに、アラブの大富豪ハフィドの至宝がおさめられていました。

30年以上もの間、昼夜、2人の衛兵が見張りに立ち、ハフィド以外、だれも立ち入りを許されませんでした。

その部屋にはダイヤモンドや金塊が山積みされているのではないか。 いや、世にもまれな珍獣珍鳥が飼われているのではないか。

いや、異国の美女たちのハーレムがあり、ハフィドにかしずいているのではないか。 そういう人々の様々な噂がたえませんでした。

実は、その部屋には質素な木箱がぽつんと置かれていただけです。 そして、その中には古代の巻物がおさめられていたのです。

その巻物は、ハフィドにとって、宮殿に山積みされた数々の宝物と比べようがないほど貴重なものでした。

なぜなら、その巻物には、この世で成功、幸福、愛、心の平安、富を得るために秘密が隠されいたからです。

その巻物こそが、ハフィドを成功に導いた知識と知恵の源だったからです。

その巻物は、かつて自分の師であったパトロスから贈られたものでした。

そして、老い先短いハフィドは、この巻物の啓示を伝えるべき賢者を捜し、この巻物を贈ろうと考えていたのです。・・・・・

この『地上最強の商人』は、全米で300万冊の大ベストセラーになり、ビジネスマンだけでなく広く一般の人にも愛読されている本です。

「古代の巻物」とは、もちろん架空の存在ですが、そこには、成功と幸福の扉を開く知識と知恵が隠されています。

その古代の巻物の1巻に次の言葉があります。

 「失敗者と成功者のただひとつの違いは、習慣の違いにある」

この言葉はオグ・マンディーノのすべての自己啓発書に貫かれた考えとなっています。

さらには、次の言葉も繰り返し出てきます。

「私は良い習慣をつくり、自ら、その奴隷となる」

「奴隷」なんていう過激な言葉が出てきたので、ちょっと驚かれたかもしれ ませんね。 では、この部分を少し引用してみましょう。

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『地上最強の商人』から引用

かくして、すべてに優先して、私の守るべき最初の法は、次のようになる。

「私は良い習慣をつくり、自ら、その奴隷となる」と……。

子供の頃、私はたんに自分の衝動の虜であった。 しかし、今は、すべての成人がそうであるように、自分の習慣の奴隷である。

私の行動は、つねに、「食欲」「情熱」「偏見」「欲望」「愛」「恐怖」 「環境」「習慣」などによって規制されるが、その中でもっとも手におえない 暴君は、習慣である。

それゆえ、もし、私が習慣の奴隷にならざるをえないなら、良い習慣の奴隷 になろう。

悪い習慣は、ただちに排除されなければならない。

そして、新しく耕された土地に良い種を蒔くのだ。

こうして彼は、巻物を繰り返し読み、反復することによって、読者が「良い習慣」 を身につけるように促すのです。

良い習慣によって成功する

確かに、良い習慣は大切です。

スティーブン・コヴィー博士も、世界で1800万冊発行されている大ベス トセラー『7つの習慣ー成功には原則があった!』のなかで、抜きん出て有能 な人々には7つの人格的な特長があると言っています。

そして、その人格的な特長は「良い習慣」によって形成されていくのだと……。

私は教師生活23年間で多くの子どもたちの成長過程を見てきました。

同じような知能指数でありながら、学力的にぐんぐん伸びる子どももいれば、 伸びない子どももいました。 何が違うのか?と考えてきました。

要因はいろいろありますが、それを一言でいえば、「習慣」の違いなのです。

オグ・マンディーノの言葉を繰り返します。

「実のところ、失敗者と成功者のただひとつの違いは習慣の違いにある」

これは、子どもも大人も同じです。

習慣の違いによって人間は変わっていきます。

良い習慣を身につけた人は、人生において成功していきます。

仕事にも、健康にも、人間関係にも、良い習慣は私たちに益をもたらすのです。

出典:オグ・マンディーノ『地上最強の商人』