いい言葉

詩「置かれた場所で咲きなさい」(ラインホルド・ニーバー)

「置かれたところこそが、今のあなたの居場所なのです。咲けない時は、根を下へ下へと降ろしましょう。」

渡辺和子著『置かれた場所で咲きなさい』より

 この言葉にまつわるエピソードとシスター渡辺和子さんについてご紹介します。

シスター渡辺和子と詩との出会い

シスター渡辺和子さんは、ある詩によって自分の生き方を変えることができた人でした。

渡辺和子さんは修道会に入ると、すぐアメリカに派遣され、帰ってくると岡山の大学に派遣、翌年には学長になれと言われます。

これまでのアメリカ人学長の半分の年齢(36歳)で、卒業生でもなく地元出身でもないのに、大役(重責)を負わされたのです。

当時は、周囲からの風当たりも強く、大変な苦労をすることになります。

▼初めての土地、思いがけない学長という役職、未経験の事柄の連続。

「こんなはずではなかった」という思いとともに、いつのまにか、「くれない族」になっていたそうです。

「あいさつしてくれない」、こんなに苦労しているのに、「わかってくれない」「ねぎらってくれない」「・・・・ああしてくれない。こうしてくれない….」など、

不平不満に悩まされるようになったのです。

▼ストレスを溜め、自信喪失になり、修道院を出ようかとまで思いつめていた時、ある英語詩に出会いました。

「置かれた場所で咲きなさい」

この詩との出会いが彼女を変えていきました。

置かれた場に不平不満を持ち、不幸になっていては、環境の奴隷でしかない。

人間として生まれたからには、どんなところに置かれても、そこで環境の主人となり、自分の花を咲かせようと決心することができたのです。

人が何もしてくれないと嘆くのではなく、自分から与える人になろう。

そうして自分からあいさつし、お礼を言い、お詫びをし、人をほめる人間に変わっていこうと努力したとき、周りの人も受け入れてくれるようになったそうです。

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詩「置かれた場所で咲きなさい」

▼その「置かれた場所で咲きなさい」という詩です。

 

Bloom where God has planted you.
 
置かれた場所で咲きなさい。
 
 
Rather than give up, make the best of your life and bloom like a flower.
 
仕方がないと諦めるのではなく、人生の最善を尽くし、花のように咲くことです。

To bloom is to live happily.
 
咲くことは、幸せに生きることです。

Let your joy make others happy.
 
あなたが幸せになれば、他の人も幸せになります。

Your smile is contagious.
 
あなたの笑顔が広がっていきます。

When you are happy and show it by your smile
Others will know it and are happy too.
 
あなたが幸せで、それをあなたが笑顔で示せば
他の人たちもそれがわかり、幸せになります。

God has planted you in a special place.
 
神はあなたを特別なところに植えたのです。

If you know it share it with others,your personality will shine.
 
もし、あなたが他の人たちと分かち合うことを知れば、あなたの人柄は輝きます。

It is that “shine” which we call “Bloom”
 
「輝く」ことを「咲く」というのです。

When I bloom in the place
where God has placed me
 
神がわたしを置いた場所でわたしが花開くとき、

My life becomes a beautiful flower in the garden of life.
 
わたしの人生は人生の庭で美しい花になるのです。

Bloom where God has planted you.
 
置かれた場所で咲きなさい。
 
Reinhold Niebuhr ラインホルド・ニーバー )
 
 

▼わたしたちも、いまいる場所で花を咲かせたいものです。

辛いときがあるかもしれません。

苦しいとき、悲しいとき、悔しいとき、泣きたいときもあるでしょう。

不平不満を言いたくなるときがあるでしょう。

でも、そういうときでも、花を咲かせようしていれば、根は見えないところで、ぐんぐん成長していくのです。

そして、そのおかげで、いずれあなたは美しい花を咲かせます。

きっと輝く人生を送ることができます。(^.^)

【出典】渡辺和子著『置かれた場所で咲きなさい』

シスター渡辺和子について

9歳の時に「二・二六事件」で、わずか1mのところで父親(陸軍大将で教育総監だった渡辺錠太郎)が48発の銃弾に倒れるのを目のあたりにし、大変な衝撃を受ける。

18歳でキリスト教の洗礼を受け、聖心女子大学から上智大学大学院修了。

29歳でナミュール・ノートルダム修道女会に入会。

アメリカへ留学し、ボストンカレッジ大学院で博士号を取得したのち、36歳という異例の若さで岡山県のノートルダム清心女子大学の学長に就任。

一時はうつ病を患いながらも、長年にわたり教壇に立ち、学生の心を支え指導。

1984年にマザー・テレサが来日した際には通訳を務めるなど多方面で活躍。

1990年にはノートルダム清心女子大学の名誉学長、及びノートルダム清心学園の理事長に就任。

2012年に発売した著書『置かれた場所で咲きなさい』が、200万部を超えるベストセラーになる。

2016年に89歳で帰天。

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作家 中井俊已 メルマガ「心の糧・きっとよくなる!いい言葉]より