いい言葉

ほめてやらねば人は動かじ(山本五十六)

やってみせ、言って聞かせて、させてみて、
ほめてやらねば人は動かじ。

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山本五十六
(1884~1943)
昭和時代の軍人

山本五十六元帥は、連合艦隊司令長官として何人何万人の人を命令一つで動かすことのできた人です。

それほどの人物が、人を動かすには、命令するだけではダメだと思っていたのです。

私は教師ですが、生徒に、「ああしなさい」「こうしなさい」と言えば、たいていは聞いてくれます。
ある程度、生徒たちは動いてくれます。

しかし、多くの場合、生徒たちは動かされているのであって、自分から動いているのではないと思っています。

これは親と子の関係でも同じでしょう。
親が子どもに「勉強しなさい」「早くしなさい」と言えば、ある程度、子どもは聞いてくれるものです。

しかし、多くの場合、子どもたちは納得した上で従っているわけではないのです。
自分から意欲をもって取り組んでいないなら、長続きしませんし、効果もありません。

このことは、企業での上司と部下の関係にも当てはまります。

上司は、命令で部下を動かすことはできます。
部下はクビを切られたくなれば、一応その命令に従います。

しかし、上司が命令だけで人を動かしていると、独創的で気のきく部下は育ちません。
若い人がくすぶっていて、上司はその気持ちがわからないので、その会社は古い体質のままで、活性化されません。

もろろん、命令がよくないという訳ではありません。
命令が必要なことも多々あります。

ただ、人を動かす場合、生徒であれ、子どもであれ、部下であれ、ひとりの人格として接するのことが大切だと思うのです。

 「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ」

これは、教師と生徒、親と子ども、上司と部下、あらゆる人間関係の基本ではないでしょうか。

まず「模範を示す」こと、そして「相手の立場を考えて教えてあげる」こと、そして「ほめてあげる」こと。

どれも難しくなかなかできないのですけれど、大切なことですね。