いい言葉

星とたんぽぽ(金子みすゞ)

見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。

金子みすゞ(1903~30)
童謡詩人

星とたんぽぽの詩

   星とたんぽぽ

青いお空の底ふかく、

海の小石のそのように、

夜がくるまで沈んでる、

昼のお星は眼にみえぬ。

見えぬけれどもあるんだよ、

見えぬものでもあるんだよ。

散ってすがれたたんぽぽの、

瓦のすきに、だアまって、

春のくるまでかくれてる、

つよいその根は眼にみえぬ。

見えぬけれどもあるんだよ、

見えぬものでもあるんだよ。

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見えないものを感じ取る感性

童謡詩人、金子みすゞは、人が見えないものを感じ取る感性にすぐれていたようです。

夜を待つ星のきらめき・・・。

春を待つたんぽぽの根・・・。

「見えぬけれどもあるんだよ、

見えぬものでもあるんだよ。」

と、彼女は歌います。

そして、彼女は見えないものを思いつづけることによって、見えないものを大切にしていたようにも思います。

あなたが感じる「見えないもの」って、何ですか。

感じ取ってみてください。

ある人にとって、それは「心」かもしれません。

人のさりげない「思いやり」かもしれません。

「愛」と呼べるものかもしれません。

そしてそれは、
その人にとって、大切なものに違いありません。

「見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。」

見えないけれど大切なものが、この世にはあります。

自然の世界にも、人々の営みの中にも、自分の中にも、・・・。