いい言葉

学ぶ者の謙虚さ(吉川英治)

我以外皆我師
(われいがい みなわがし)

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吉川英治
(1892~1962)
作家

以前(13号)にも、ご紹介した吉川英治の座右の銘と言われている言葉です。

『宮本武蔵』『新平家物語』などの国民的文学作品で有名な作家、吉川英治は、少年時代からの苦労人でした

お父さんが事業で失敗し、病気で倒れ、小学校を中退すると、大勢の弟や妹のためにも丁稚奉公に出されました。
彼のわずかな給金とお母さんの針仕事の賃金が一家の支えだったのです。

十代のころ、吉川は職を六、七回変えました。
丁稚奉公、土方、船のさび落とし、給仕、行商、事務員など。

新しい職の交渉には、履歴書を出さねばなりませんでした。
そのときの相手の目に浮かんださげすみの色を忘れることができなかったそうです。

なぜなら、吉川の履歴書には次の二行しかなかったからです。

一、小学校中退
一、賞罰なし

そういう人が世の中で成功するには、勉強して自分を高めていく以外にありませんでした。

19歳のころから始めて、百科事典をなんと50回は読んだそうです。

それだけでなく、彼の体験したこと、出会った人がすべて彼の先生でした。

「我以外皆我師」(われいがい みなわがし)

この謙虚な姿勢と前向きな向学心が、彼を大作家へと押し上げたのです。