いい言葉

仕事の価値は心構えで変わる(渡辺和子)

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この世に「雑用」という用は
ありません。
私たちが用を雑にした時に、
雑用が生まれます。

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渡辺和子(1927~ 2016)

カトリック修道女であった渡辺和子さんってご存じですか?

本もたくさん書かれ、『渡辺和子著作集』なるものもあります。

では、カンタンに略歴をご紹介します。

お父さんは、2・26事件で殺害された教育総監、渡辺錠太郎氏。

事件当時、9歳だった彼女は、わずか1メートルのところで、
父親が銃弾に倒れるのを目の当たりにしました。

(す、すごい経験です)

その体験を心に抱えながら成長し、29歳で、キリスト教の修道女会に入会。

36歳という異例の若さで、ノートルダム清心女子大学の学長(後に理事長)となりました。

高齢にも関わらず、講演や会議などで全国を飛び回るほどたいへんお元気な方でした。

私は、『思いやりを育てるしつけ51のヒント』をはじめ、『マザー・テレサ 愛の花束』『ヨハネ・パウロ二世 愛と勇気の言葉』などにご推薦の言葉をいただくなど、たいへんお世話になりました。

さて、今日の言葉は、渡辺先生がアメリカでシスターとしての修行をしていたときの次のような経験がもとになっているそうです。

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彼女は、アメリカの修道院で皿並べの仕事をまかされました。

しかし、毎日、皿並べの仕事をしているうちに、かつてキャリアウーマンとしてバリバリ仕事をこなしていた彼女は、あまりにも単調なその仕事に嫌気が差してきたそうです。

そこで、ある日、そういう不満を修道院長さんにもらしました。

すると修道院長さんは、こう言われたそうです。

「あなたは、一枚一枚のお皿を並べるときに、
それを使う人の幸福のために祈っていますか?」

渡辺先生は驚きました。
いままで、そういう風に考えて皿を並べたことがなかったからです。

しかし、そういうふうにまわりの人の幸せを願い祈りながらしてみると、
どんなに小さな仕事でも価値があるように思えてきたのです。

そして、自分も充実した気持ちになっていることに気づいたそうです。

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さて、再び「今日の言葉」

この世に「雑用」という用はありません。
私たちが用を雑にした時に、雑用が生まれます。

つまり、私たちの心のあり様で、仕事の価値は変わるのですね。

目立たない小さな仕事も、心をこめてやれば、大きな価値を持つのです。

人の幸福を願いながら、心をこめて仕事をしよう。

えっ、あなたは学生さんですか?
それなら、あなたの仕事は、バイトです。
いえ、違った、勉強・・・     (^.^)