いい言葉

人生はこれから(早石修)

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人生はこれからだ。

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早石修(生化学者。京都大学名誉教授)

2006年3月の「日本経済新聞」の「私の履歴書」で1か月間に連載されていた科学者の早石修さんの言葉。

3月31日、その連載の最後を締めくくる言葉です。

私は科学は、あまり興味がありません。
早石修さんも、どういう方か知りませんでした。

でも、この言葉はいいのです。

ですから、みなさんにもお伝えしますね。

早石修さんは、(当時)86歳の現役、生化学者。

よく分かりませんが、「酸素添加酵素」や「睡眠」の分野で世界的な実績をあげて高い評価を受けている方です。

早石さんは、恩師から贈られた色紙を半世紀以上も、机の上におかれています。

半世紀以上、50年以上、職場が変わっても、です。

(その色紙を両手にもった早石さんの写真が「私の履歴書」の最後の写真でした)

早石さんは、

「研究成果が学界でなかなか認めず、焦燥の日が続いたとき、この言葉がどれだけ力になったことか」

と言います。

では、その言葉です。

本も読まなくてはならぬ。考えてもみなくてはならぬ。しかし働くことはより大切である。働くとは天然に親しむことである。天然をみつめることである。こうして天然が見えるようになる。

これは、科学者が、科学者に贈った言葉ですからね。

ちょっとピンとこない人もいるかもしれませんね。

でも、早川さん自身は、

「生化学は、実験によって自然(天然)を見つめる学問である。私のように平凡な人間でも、好奇心を持ち、愚直に実験を重ねていくうちに」研究成果をあげることができたのだと言います。

私は、科学にはあまり興味がないものの、

「しかし働くことはより大切である。働くとは、〇〇に親しむことである。〇〇をみつめることである。こうして〇〇が見えるようになる。」

というフレーズには、考えるものがあります。

教師なら〇〇に、子供という言葉が入るでしょうか。
作家なら〇〇に、人間という言葉を入れてもいいかもしれません。

一つのものをみつめ、愚直に働く人の姿に、私は感じ入るものがあるのです。

あなたの職業では、〇〇に何が入るでしょうか。

前置きが、かなり長くなりました。

これからがいよいよ、今日の言葉です。(笑)

30年も前、早石さんのある教え子が、画期的な実験結果を出したのに、
論文発表では、鼻一つの差でライバルに後れをとったことがあったそうです。

科学者の世界では、1番なら大発見だと賞賛されるが、2番ならほとんど相手にされないのだそうですね。

落胆している学生を見て、早石さんは、黒板に大きな字でこう書いたそうです。

それは、86歳の早川さんをいまも支える言葉だそうです。

それが今日、みなさんにお伝えしたい言葉です。

英語ですので、ちょっと頭を切り替えてくださいね。

あっ、辞書は、いりません。

カンタンな英語です。

私でも分かります。

訳がついてますから。(笑)

訳は、早石修さんのものです。

Today is the first day of the rest of your life.
人生はこれからだ。今日からまたがんばればいい。      |

今日は残りの人生の最初の日。

昨日までは練習、リハーサル、今日からが本番。

昨日よ、ありがとう。

今日からが人生のスタートだ!

「人生はこれからだ」と前向きにがんばろう。

出典:「日本経済新聞」「私の履歴書」2006年3月31日