人間関係において、仕事において、マナーは大切です。
マナーがいいと、人間関係が良好になります。マナーがきちんと身についている人は、仕事ができるようになります。
そのため運が良くなるのです。
では、マナーについて大事なことを学んでいきましょう。
イライラや嫌な気分の原因の第1位とは?
ビジネスマナーを研修でも教えていらっしゃる方のご本をご紹介します。ご本は、『あしたからの仕事が・・・』シリーズの第2弾『あしたからの仕事が愉しくなるハッピーマナー』です。
著者は、マナー講師のプロ、西出 博子さんです。
西出さんは、国会議員・政治経済ジャーナリストの秘書等を経て、ビジネスマナー講師として独立 。
文部省認定技能検定日本技能検定協会秘書部門連合会会長賞受賞。英国オックスフォードへ語学留学を経て、現在は、企業研修においてビジネスマナーを指導されている方です。
西出さんは、研修のなかで受講生の方によく尋ねられるそうです。
「仕事に関することで、イライラすること。嫌な気分になるときはどんなときですか?」
それを紙に書いていただくのです。
その結果に、わたしはちょっとビックリ、そして面白いなあと思いました。
その結果(トップ15)は、前述の本の第6章「社内のマナーコミュニケーション」で紹介されています。
わたしが驚いたのは、その第1位です。
●上司・先輩が部下に対して気になることの第1位は、
「さっきまで、いたと思ったらあいさつなしに帰っていた」
●逆に後輩・新人が先輩に対して気になることの第1位は、
「あいさつをしても目上の人は返してくれない」
でした。
つまり、上司・先輩は、「後輩・新人はあいさつをしない」
後輩・新人も、「上司・先輩はあいさつをしてくれない」
と日頃、感じているのです。
「あいさつをしない」
「あいさつをしてくれない」
それが、上司・先輩、後輩・新人という立場それぞれの
「仕事に関することで、イライラすること。嫌な気分になるときはどんなときですか?」の第1位なのです。
面白いと思いませんか。
誰もが、「あいさつ」がいかに大切か、子どもの頃から、家でも学校でもずっと聞いてきたはずです。
それなのに、できないのです。社会人になっても・・・
自分はさておき、「相手はできていない」と思っている人が多い。
そのため、イライラする人、嫌な気分になる人が非常に多いのです。
それほどに、人はまわりの人からどうようにあいさつされるか、されないか、
ということに敏感なのですね。
あいさつって、すごく大切なことだと改めて思い直しました。
本物のマナーとは?
ところで、あいさつに限らず、よいマナーは単なる形ではありません。
よいマナーには、まわりの人への思いやりがこもっています。
西出さんは、
「相手の立場を考えて、相手を大切に思う心を形にしたものが本物のマナー」
だとおっしゃいます。
本当にそうですね。
マナーは、思いやりを形にしたものです。
それで、わたしは、昔、教科書に載っていたこんな話を思い出しました。
●エリザベス女王の心配り
昔、アフリカの未開発国の王族が、イギリスを訪問しました。
エリザベス女王が開く晩餐会に招待されたとき、アフリカの王族は、テーブルにセットされているフィンガーボールの水を指先を洗うものとは知らず、飲んでしまったのです。
これはエチケット違反です。
ところがそれを見たエリザベス女王は、王様が恥をかくことのないようにと、女王自身もフィンガーボールの水を飲み干したのです。
この物語は、イギリス王朝のマナーの真骨頂として、今にまで伝えられる話です。
その場の空気をよみ、相手が恥をかくことのないように、心配りができる。
人としての心の豊かさと思いやりがなければできないことですね。
さて、西出さんによると、マナーができている人であればあるほど、
「もっと学ぼう」
「もっと向上したい」
「もっと自分を磨いて素敵になりたい」
と、その姿勢はたいへん素直で積極的なのだそうです。
確かにそういう人は、社会人としてますます成熟した人になれるでしょう。
そして、仕事においても、人間関係においても、ますます幸運になれるのです。
思いやりをマナーという形にしよう。
相手を思いやる本物のマナーは、あなたの人生を必ずハッピーでラッキーにしてくれます。(^.^)
出典:西出博子著『あしたからの仕事が愉しくなるハッピーマナー』(明日香出版社)