いい話

人生に与えられた贈り物、与えていく贈り物

『人生を変えた贈り物』という本のはじめに感動的な話がでてきます。

著者アンソニー・ロビンズの実話です。

少年の頃に体験したことが、彼の心に灯りをともし、人生を変えていく贈り物となったのです。

要約してご紹介します。

与えられた贈り物

アメリカ、ある年の感謝祭の日、その貧しい家庭には食卓を飾るごちそうが何もありませんでした。

夫婦は互いに怒りに満ちたトゲトゲしい言葉を投げつけ合い、暗く沈んでしました。

まだ少年だった長男は、そんな両親を見ながら無力感に打ちひしがれていました。

そこへ、運命のノック。

少年がドアを開けると、よれよれの服を着た見知らぬ男が両手いっぱいにお祝いのごちそうの入ったバスケットを抱えて立っていました。

「あなた方がお困りだと聞いたある方からの贈り物です。あなた方を愛し、気にかけている者がいるのを知ってほしいのだそうです」

男はそう言いましたが、一家の主は受け取ろうとしません。

「わたしはお届けするように言われただけなのです」

男はそう言うと、笑顔でバスケットを少年に渡し言いました。

「感謝祭、おめでとう」

その瞬間から、少年の人生は変わりました。

このときの感謝の気持ちが、少年の心を深く動かし決意させたのです。

「いつか自分もこんな贈り物ができるようになろう」と。

 

18歳になったとき、少年はその誓いを初めて実行しました。

自分で稼いだなけなしのお金で、食料品を買い、わざと古ぼけた服を着て、その日の食べ物にも困っている、ある家族のもとへ届けました。

この家の子どもは6人。父親は数日前に家族を捨てて出て行き、家にはまったく食べ物がありませんでした。

「お届け物です」

子どもたちは、少年が家に運ぶる数々の食料を見て歓喜しました。
ラテン系の母親は、少年を抱きしめ、片言の英語で言いました。

「あなた、贈り物、神様から。あなた、贈り物、神様から」

「違うんです。ぼくはただの配達係です」

そして少年は、これは友人からだと言って、メッセージを手渡しました。

感謝祭を楽しんでください。

あなたたちはそれにふさわしい人です

自分たちが愛されていることを知ってください。

そしていつか、もし機会があれば、
同じように誰かに贈り物をしてください。

その家族が興奮と歓喜にあふれ笑顔となる様子を間近に見て、少年は涙があふれでてきました。

そして、気づきました。

子どもの頃のあの「悲惨な日々」は神様の贈り物だったのだと。

あの日からずっと、人に尽くすことで満足を得る人生へと自分は導かれてきたのだと。

 

少年は、その日から今日まで、大きな目的をもった旅を続けています。

その目的とは、自分と家族に届けられた贈り物を別の誰かに届けること。

そして、思い出してもらうこと。

辛い状況を変える道は必ずある。

あなたたちは愛されているのだと・・・。

この少年は、アンソニー・ロビンズという人です。

彼は大人になり、事業を成功させました。

そして、いま世界的な講演者、カウンセラー、トレーナーとなっています。

クリントン前大統領、レーガン元大統領、故ダイアナ妃、テニスプレーヤのアガシ、俳優のシュワツネッガー州知事など、彼の教えを受けた世界的リーダーは多数いるそうです。

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与えていく贈り物

さて・・・

わたしたちのことを考えてみましょう。

わたしたちにもあるのではないでしょうか。

自分に贈られた物が・・・、

ごちそうでなくても、目に見えるものだけでも、

いくつも、いくつも・・・・。

ですからわたしたちも、きっとできると思います。

自分に届けられた贈り物を別の誰かに届けること。

豊かな心で誰かを思うこと。

贈り物は、ごちそうでなくてもいいのです。

お金のかからないものでもいいのです。

一つの言葉でも、

一本のメールでも、

一枚の葉書きでも、

あなたが心を添えて届けることで、

誰かを幸せな気持ちにすることはできるのです。

自分に贈られた物を他の人にも分け与えよう。

その贈り物があなたとその人の人生を変えていきます。(^.^)

出典:アンソニー・ロビンズ著『人生を変えた贈り物』