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かっこよくなくても・・・
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漫画家のやなせたかしさんの話です。
やなせさんは子どもたちの大人気の「アンパンマン」の作者。
「アンパンマン」という作品は非常にユニークですね。
当時、ヒーローと言えば、ウルトラマンや仮面ライダー・・・
かっこいいですねー。
男の子なら誰だって、ウルトラマンごっこや仮面ライダーごっごをしたことが
あると思います。
いまでも人気がありますね。
そんな中で、アンパンの顔をした変なヒーローを、やなせさんはどうして世に送り出したのでしょうか。
それには、やなせさんのある思いがありました。
初版『あんぱんまん』の「あとがき」にあるやなせさんの言葉をご紹介します。
以下は、拙著から・・・。
「ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし、そして、そのためにかならず自分も深く傷つくものです。」
やなせたかし
1919年~
漫画家・絵本作家・詩人
代表作品『アンパンマン』
やなせさんの絵本『あんぱんまん』(はじめはひらがな)が出たとき、
大人からの評判はよくありませんでした。
まわりの人からは「くだらない」と言われ、批評家からは図書館には置くべきでないと酷評されたそうです。
砂漠で飢え死にしそうな旅人のところへあんぱんの顔をしたヒーローが飛んできて、自分の顔を食べさせるというストーリー。
これまでのヒーローのように勇ましく戦うわけではなく、かっこよくも強くもありません。
やなせさんが、この作品を描きたかった背景には、戦争体験があります。
飢えた人は救うべき、いつの世にもひもじい人を助けるヒーローが必要だと考えていました。
自分の顔をあげてでも、人を生かす自己犠牲の精神を描きたかったのです。
大人には不評だったこの作品は、意外にも、子どもたちには大人気となり、
絵本もテレビも映画も大ヒット。
その人気は三十年以上たっても衰えることがありません。
「傷つくことなしに正義は行えない」というやなせさんのメッセージは、
子どもたちに受け入れられ続けているのです。
拙著『きっと勇気がわいてくる魔法の言葉』より
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アンパンマンは、自ら傷つきながらも仲間を助けます。
自分の一部を与えます。
アンパンマンは、正義を超えた愛のヒーローです。
かっこよくなくても正義と愛を目指そう。
かっこよくなくても、良いものは心でわかるのです。 (^.^)
【出典】やなせたかし著『あんぱんまん』