「美しい唇である為には、美しい言葉を使いなさい。
美しい瞳である為には、他人の美点を探しなさい。」
オードリー・ヘップバーン
▼ある方から、劇「泥かぶら」と少し似ているのでと、『みにくいおひめさま』という童話を紹介していただきました。
とてもいい童話でした。
こんなストーリです。
昔ある王国に、何不自由なく暮らしていたお姫さまがいました。
お姫さまは、ただ一つのことをのぞけば世界一幸せでした。
その一つとは、お姫さまがみにくかったことです。
そこで、娘を愛する王さまは、ある日、懸賞をだします。
「みにくい娘を美しい娘に変えることができたものに、賞金として金貨を一袋とらせる。ただし、しくじったものは、首をはねる」
魔法使いたちはみんな、この懸賞を辞退するのですが、一人の慎ましい夫人だけが応募しました。
夫人は、9ヶ月、お姫さまを自宅であずかることを条件に、お姫さまを美しくすることを約束します。
さて、さて、この夫人はどんな魔法を使うのでしょうか。
この婦人には、5人の美しい娘たちがいるのですが、その娘たちに使った魔法だというのです。
最初は、安楽でぜいたくなお城での生活を離れるだけで、いやがっていたお姫さまですが、日を追うごとに、夫人やその娘たちとの生活するのが楽しくなっていきます。
そして、次第に心のあり方が変わり、行いが変わっていくのです。
たとえば、いつも不機嫌そうにへの字にまがっていたお姫さまの口の両端があがったとき、お姫さまは叫びます。
「わたし、きれいになった!だんだんきれいになる!・・・魔法よ」
それに対して、夫人はほほえんで静かに言うだけでした。
「そうかもしれませんね。
でも、もしからしたら、毎日がおもしろくないから、あなたは口をむすんでいたのかもしれませんよ。
今まで、自分でものをつくる喜びを知らなかったんじゃないかしら?」
こんなふうに、お姫さまは9ヶ月の間に美しくなり、その後もしあわせに暮らした、というお話です。
▼お姫さまは、自分の内面や外面的な行動を変えることによって、少しずつ美しくなったんですね。
そういうことは実際にあるのでしょうか。
あると思います。
人は生まれ持っている資質を、いっそう美しく輝かせることができるのです。
▼実際に、お化粧したり、きれいな服を着たりすれば、人は美しくなれます。
それと同じような即効性はありませんが、美しい言葉を使うとか、人の美点を探すとか・・・笑顔で思いやりをもって接するとか・・・・
そうしたちょっとした習慣で、人は内面から次第に美しくなっていくものなのです。
美しさは磨けるものです。 (^.^)
【出典】 『みにくいおひめさま』
フィリス・マッギンリー (著), 中川 宗弥 (絵), まさき るりこ (翻訳)
待望の復刻版の童話です。