いい考え方

「生かされている」いのちについて考える

「生かされている」。
それは「頭で考える」ことよりも「心で感じる」ことです。
それを感じることで、君の感性は磨かれていきます。
人の心が感じられる人。君には、そんな人間になってもらいたいです。

鈴木中人著『人生のそのときに 心に刻む10のこと』 P.159

鈴木中人(なかと)さんのご本をご紹介します。

『人生のそのときに 心に刻む10のこと』

感動的で、深く人生について考えられる、とても良い本です。

『働く君に贈る25の言葉』や『そうか、君は課長になったのか。』などの著者、佐々木常夫氏は、本の帯に次の推薦文を寄せられています。

「涙が抑え切れなかった。
人のいのち、家族、人生、社会というものを真正面からとらえ、
真摯に向き合う生き様が読む人に感動と勇気を与えてくれる。
一人でも多くの人に目を通して欲しい心に刻むことばである」

著者、鈴木中人さん

著者の鈴木中人さんと何度か、お会いしたことがあります。

一度目は、名古屋での私の講演会に夫婦で参加してくださいました。

二度目は、鈴木さんの講演会が鹿児島であったときに、当時わたしが住んでいた長崎まで立ち寄ってくださいました。

など、など・・・。

お会いして話した印象は、非常に真摯で誠実な方だということ。

大会社を途中退職して取り組むことにした現在の活動に使命感をもち、生涯を賭けていらっしゃる方です。

鈴木さんは35歳の時、3歳の長女が小児がんを発病したことを知りました。

しかし、3年間の闘病生活も虚しく、6歳で長女は逝ってしまうのです。

子供を亡くした喪失感、救えなかった罪悪感、いのちの無常を痛切に感じたといいます。

そんな絶望の日々で出会ったのが

 「子供の供養とは、親が生まれ変わること、子供の分まで生きること」

という言葉でした。

以来、勤めていた大手企業を早期退職。

いのちの大切さと家族の絆を語り継ぐことを人生のテーマとして、講演活動や小児がん患者や家族の支援を開始しました。

今では13万人が著者の講演を聴くまでとなっています。

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人生のそのとき

そうした活動の中で鈴木さんが思うことは、「みな同じような“人生のそのとき”を体験する」ということでした。

特に、いま社会で働く若者は、これから“人生のそのとき”を体験するのでしょう。

そこで、鈴木さんは社会人として働く息子へのメッセージとして、次の10項目の“人生のそのとき”について語ることにしたのです。

1.人生の逆境で絶望するとき

2.大病を患うとき

3.大切な人を亡くすとき

4.自分を根本から変えたいとき

5.天職を求めるとき

6.良い縁を願うとき

7.心から祈るとき

8.孤独だと涙するとき

9.家族を背負うとき

10.幸せとは何かを思うとき

▼「1.人生の逆境で絶望するとき」P.45には、こんな言葉がありました。

「人間の真価は、一番のどん底をどう受け入れるかで決まる。

人生に無駄なことはない。すべての経験は生きてくる。

一番つらいことを、君の人生に生かしてほしい。」

すべてに意味があり価値がある

いま、人生の辛い時期にいる人は、自分では何もしていないように思えても、まわりの人から何もしていないように思われても、大切なことをしています。

苦しむということ。

受け入れるということ。

耐えるということ。

愛するということ。

すべてに意味があり、すべてに価値があります。

冬に植物の根っこが冷たい土の下で成長するように、その人は内部で成長します。

春になると花を咲かせるように、いずれその人は美しい花を咲かせます。

ただ、わかっていても、とても辛いときには、だれかに寄り添ってほしいものですね。

支えとなる言葉もほしいですね。

そんなとき、鈴木さんの語るメッセージは、きっとその人の心に響き、人生を良い方向へ導いてくれるものになると思います。

“人生のそのとき”にそなえて心を磨く。(^.^)

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【出典】鈴木中人著『人生のそのときに 心に刻む10のこと 働く父から息子へのメッセージ』

鈴木さんのご本を読むと、当時6歳で亡くなった景子ちゃんが、天国から鈴木さんを応援してくれているんだなあと私は感じます。