いい言葉

鍵山秀三郎著『人間を磨く言葉』から

 

「どんな不幸を吸っても

吐く息は感謝でありますように」 河野進(牧師)

▼松江市に開星中学・高校という大変良い私立学校があります。

テニスの錦織圭選手が在学していた学校ですし、校長先生は【心の糧】の読者でもいらっしゃいます。

先日、その開星中学・高校で講演をさせていただき、その後、校長先生から鍵山秀三郎(著)『人間を磨く言葉』というご本をいただきました。

「日本を美しくする会」の鍵山秀三郎氏もこの学校で講演をされたことがあるそうです。

▼『人間を磨く言葉』には、鍵山秀三郎氏の人間性を磨いてきた言葉が
たくさん収められ、解説がありました。

良い本です。

いくつかの言葉をご紹介しましょう。

●「力耕せば耕せば、吾を欺かず」 陶淵明(中国の詩人)

鍵山氏は、子どもの頃、家が貧しく、過酷な農作業を毎日のように手伝わねばなりませんでした。

大人から「骨が曲がるぞ」と心配されるくらい働いても、収穫としては報われないことが多かったそうです。

しかし、そうやって培われた「忍耐力」「勤勉さ」は、社会に出て、大いに役に立ちました。

地道は努力によって、すぐに芽がでなくとも、少しずつ自分の心を耕し育て、いずれ豊かな花を咲かせるのです。

●「過去が咲いている今、未来のつぼみでいっぱいの今」 河井寛次郎(陶芸家)

土を耕し、肥料をやり、水をやり、日を照らさなければ、

花の種は育ちません。

雑草を抜いたり、害虫を駆除したりする手間も必要でしょう。

そんな過去の努力によって、今このときに花が咲いています。

今このときに努力することで、未来にも花が咲きます。

●「どんな不幸を吸っても

吐く息は感謝でありますように」 河野進(牧師)

人生は山あり谷あり、困難や辛苦もあって当然です。

辛さを嘆くのでなく、そこに恵みと幸いを見つけ、まわりの方々に感謝できる人になれますように・・・。

そう祈っていく人生には、豊かな恵みがあるように思います。

ちなみに、河野進氏の『ぞうきん』という詩集に次のような感銘深い作品があります。

「使命」

まっ黒い ぞうきんで
顔はふけない
まっ白い ハンカチで
足はふけない
用途がちがうだけ
使命のとおとさに変わりがない
ハンカチよ 高ぶるな
ぞうきんよ ひがむな

 

言葉には人間性を磨く力があります。 (^.^)

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【出典】鍵山秀三郎(著)・亀井民治(編)『人間を磨く言葉』