いつも喜んでいなさい。
絶えず祈りなさい。
どんなことにも感謝しなさい。
▼この言葉をどこかで見聞きしたことはあるかと思うのですが、この言葉を記した人のことは、ほとんど知られていないかと思います。
そこで、今日はこの言葉を手紙に書いたパウロという人物にふれます。
▼パウロは当時の一流の学問を修め、教養が高く、また名文家でした。
しかし、だからこのような言葉を残せたわけではありません。
この人は、本当に不思議な人です。
パウロは、初めキリスト教の迫害者でした。
「キリスト信者は人々を惑わす、けしからん異教徒だ」と固く信じ、正義感あふれる彼は、率先して、キリスト信者を見つけ縛り上げては連行していったのです。
▼ところが、キリスト教徒を捕らえてエルサレムに連行する目的でダマスコという町に行く途中のことでした。
突然、天からの光に照らされます。
そして、地に倒され、
「なぜ、わたしを迫害するのか」
と呼びかける声を聞いたのです。
▼この時から、パウロは、目が見えなくなり、三日間は飲み食いすることもできないほど苦しみました。
しかし、その声が命ずるまま、ダマスコに入ってアナニヤという人から祝福を受けました
すると、たちまち「目からうろこ」のようなものが落ち、目は元どおり見えるようになります。
このときから、パウロは回心し、迫害者から宣教者へ180度人生を転換することになります。
ちなみに、この「目からうろこ」という表現は、現代でもよく使われますが、もともとは聖書のこの箇所(「使徒言行録」9章)に由来があります。
▼その後のパウロの生涯は、波乱万丈です。
何しろ当時、キリストの教えは律法の破壊をもたらす教え、異端だったと思われていたのですから。
石打ち、投獄、鞭打ち・・・。
たくさんの無理解と困難に囲まれ、命を狙われながらも、福音を告げ知らせます。
権力を振りかざす王、大祭司になど全くひるまず、媚びることもせずに・・・。
そして、多くの人に教え励まします。
▼その福音がパウロの手紙として残っているわけです。
いつも喜んでいなさい。
絶えず祈りなさい。
どんなことにも感謝しなさい。
(テサロニケ人への第1の手紙 5-16~18)
これらは、人が幸福になる三つの法則だと言われます。
実際、パウロは苦しみながらも、生涯、幸福でした。
そして、多くの人を幸福に導きました。
▼私たちも何か難しいことがあっても、自分が信じることをとことんやり遂げたいものです。
人から理解されなくても、倒されても、また起き上がって歩み始めればいいのです。
私たちの進む道は幸福につながるのです。
いつも喜んで、祈って、感謝して・・・(^.^)
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【出典】
「使徒言行録」9章、「テサロニケ人への第一の手紙」5章 16~18
ちなみに、結婚式でよく引用されるこの言葉もパウロの言葉です。
「愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。愛は決して滅びない。」(コリント人への第一の手紙 第13章より)