いい本

『希望の道―牢獄からの福音』に学ぶ「今を生きる」精神

不遇の生活にあっても希望をもって生きるのは、どうすればいいのでしょうか?

無実でありながら、長く牢獄で不遇の生活を送り、それでも希望を失わずに人々を励まし続けた人の本を読みました。

その人、フランシスコ グゥン・ヴァン・トゥアン神父(枢機卿)は、ベトナム戦争後、共産主義政権下のもと、政府にとって邪魔な人物(キリスト教の指導者)だったために拘留されました。

その後、13年にわたる拘留・軟禁・独房生活を送ることになります。

しかし、彼は腐りませんでした。

13年間、希望を捨てずに、祈り、学び、働きました。

そうして誰も恨むことなく、高貴な精神を保ったのです。

マザー・テレサが彼にあてた手紙にはこうあったそうです。

「大切なのは、仕事の数ではなく、それぞれの仕事に、どれだけ愛情を込めたかということです」

彼は、獄中でも神父としての仕事できるし、愛をこめることができると考えました。

彼は書いています。

「主よ。わたしは待ちません。今というこの瞬間を生き、それを愛で満たします」

「今の各瞬間、どのようにしてそこまで愛することができるでしょうか。それは日ごとの、時間ごとのそれぞれの瞬間が人生の最後の瞬間であるように生きることだと思います」

彼は、このように、独房の中にあっても、今この時を、希望と愛をもって生きる努力をしました。

その1つの具体的な仕事として、獄中から人々を励ますための便りを書き続けたのです。

小さな紙切れの裏などに・・・。

一枚ずつ、一枚ずつ。

看守に見つかれば没収され罰を受けます。

しかし、やり遂げました。

それら1001の短い便りは、ひそかに牢獄から持ちだされ、人々の手をわたりながら、本となりました。

その本『希望の道』は、現在、世界十数カ国後に訳され、世界中の多くのキリスト教信者を勇気づけています。

この日本で私たちがこのトゥアン神父のような試練に遭うことは、まずないでしょう。

しかし、「人生には楽もあり苦もある」のですから、病気、怪我、別れなど誰でも苦しい時があるのは避けられません。

その苦しい時も、わが人生です。

苦しさゆえに失望したり、怒りに翻弄されたりすれば残念なこと。

苦しい時や困難があるときには、自分をより良く磨くチャンスです。

人生のどんな時でも、希望も、愛もなくなるわけでありません。

今、この瞬間も、希望や愛をもって生きることができるのです。

 

今、この時に、希望や愛をもって生きる。  (^.^)

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【出典】フランシスコ・グェン・ヴァン トゥァン (著)『5つのパンと2ひきの魚―獄中からの祈り』『希望の道―牢獄からの福音』

両方ともキリスト信者向けに書かれた本です。