いい話

「文学で世界平和を実現したい」という夢をもって行動する人

2016年におこなったセミナー「夢かなえ塾」京都 は、「自己肯定感を高めよう!」というテーマでした。

その9番目のヒントとして「自分が大切な存在だと気づく」ということについてお話ししました。

例として挙げたのが、(著者ご本人がいらしていたので・・・)永田雅章著『スタンド・バイ・ミー 覆面歌手ジェイの物語』です。

この小説のストーリーを少し紹介します。

待ちに待ったわが子の懐妊。

しかし、母親、恵美の体はガンに侵されていました。

このままでは、母親と胎児、両方のいのちが助からない。

医師は、胎児をあきらめ母親の命を救うことを提案します。

が、母親は頑として子どもを産むと主張します。

こうして、母親、恵美の命と引き換えに、滋英は生まれるのです。

母親としてわが子を抱くことさえできなかった恵美は、神様にお願いし、死後は守護霊となって、夫の広司とわが子、滋英を見守ることになります。

滋英は、生まれつき吃音というハンデを持っており、いじめに遭います。

しかし、そのハンデを克服し、やがて滋英は音楽のもつ可能性にひかれていきます。

いつしか歌で世界に平和を呼びかけるという夢をもつようになり、その夢に向かって進んでいくのです。

その傍らには、誰の目にも見えないものの、いつもわが子の幸せを願う母親の存在がありました。

そんなファンタジー風の青春小説です。

親は、子どもを思い、子どもの幸せを願います。

自分の命を犠牲にしても、わが子を守ろうとします。

遠く離れていても、自分が先に逝ってしまっても、いつも子どものことに思いをはせます。

自分が親のことを忘れていても、親はいま自分のことを考えていてくれるかもしれません。

私たちは、そんな存在です。

自分ではそう思えないときがあったとしても、私たちは、大切な存在です。

ところで、永田雅章先生は、明確な夢を持っている人です。

「文学で世界平和を実現したい」

このように明確に夢を語ることのできる人は、実に珍しい。

しかも、大学時代から30年以上抱いてきた夢だそうです。

そして、教職の傍ら、

2009年『オブリガード アミーゴ 』

2010年『スタンド・バイ・ミー 覆面歌手ジェイの物語』

2012年『イマジン  キカロ星から来た少女』

を自費出版で上梓してきました。

私は、この事実に驚いています。

「文学で世界平和を」と30年以上もずっと願ってきたこと。

願いを実行に移し、本を出版してきたこと。

よほど強い思いがなければ、できないことです。

「文学で世界平和を実現したい」という夢は、なにか途方もないことのようですが、その方法は平和的です。

そして、平和的であるがゆえに、実現可能ではないでしょうか。

平和は、まず個人から始まります。

そして、家庭。

学校、職場。

地域社会。

そして、国。国家間へと、広がります。

まず、自分の心に平和への願いがあることが大切です。

だれか一人でも、その願いに共鳴すれば、そこには平和が生まれるでしょう。

平和を実現する平和的な方法は、他にもあるでしょう。

「笑顔で平和を・・・」

「挨拶で平和を・・・」

「親切で平和を・・・」

など、など。

心を開いて「Yes」って言ってごらん。
すべてを肯定してみると答えがみつかるものだよ。
ジョン・レノン

自分の心を素直に開いて、受け入れると、平安な気持ちになります。

心穏やかに働きかけると、平和は実現していくのではないかと思うのです。

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【出典】永田雅章著『スタンド・バイ・ミー 覆面歌手ジェイの物語』