いい話

「なにかわたしにでも できることはないか」(坂村真民)が幸せを生む

「念ずれば花ひらく」で著名な坂村真民さんに「なにかわたしにでも できることはないか」という詩があります。

これは、全身関節炎で十年以上寝たきりだった女性を詠んだ詩です。

医者からも見放され、自暴自棄になっていた彼女ですが、

ある日、「なにかわたしにでも できることはないか」と考えました。

そして、天啓のように点字のことを思いつきます。

天啓のように湧いてきた考え

わたしは体のほとんどは動かないが、

目が見える。

本が読める。

本が読みたくても読めない人、
目の不自由な人のために

点字を習って本を届けよう。

そう思ったのでしょう。

彼女は、左手の少しだけ動く親指に筆をくくりつけてもらい、一点一点打っていきました。

不思議なことに、それから人差し指が少しきき出します。

右手の指もいくらかずつ動くようになります。

さらには、筆をくくりつけなくても字が書けるようになります。

一点一点と打ち込み、一冊の点訳書ができあがりました。

一冊一冊と増えていきました。

そうして、百冊を越える立派な点字本が光を失った人たちに光を与えていったそうです。

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たくさんの喜びや感謝

「なにかわたしにでも できることはないか」

そう考えると、何かが与えられ、世界がひらけてくるのです。

年中光の射さない部屋で一人寝ていた彼女に手紙が来るようになり訪ねてくる人ができました。

感謝の手紙。励ましの手紙。

彼女に会いたいとわざわざ遠くからやってくる人。

孤独だった彼女は、たくさんの人たちと喜びや感謝の思いでつながることができたのです。

坂村真民さんは言います。

「どんな小さなことでもいい

『なにかじぶんにでもできることはないか』と

一億の人がみなそう考え
十億の人がそう思い奉仕したら

地球はもっともっと美しくなるだろう」

たった一つが人を救う

生きるのに苦しくて親子で心中しよう考えていた母親が子どものたった一言と笑顔で思いとどまったという話があります。

母親が口ぐせのように唱えていた「念ずれば花ひらく」という言葉でした。

「念ずれば花ひらく」という言葉を子どもの口から聞いて、母親は我に返り、苦しくとも、この子と共に生きていこうと決意したのです。

子どもは、そんな思いは知りません。

知らなくても人を救うことだってあります。

たった一言

一度の笑顔

一本のメール

一枚のはがき

一つの記事

たった一つが人を救うことだってあります。

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【出典】坂村真民 詩「なにかわたしにでも できることはないか」