志賀内 泰弘 (著) 小説『「いいこと」を引き寄せるギブ&ギブの法則』をご紹介します。
世界中の成功者が実践する究極の成功法は、何か!?
それは「ギブ&ギブの法則」だと、著者の志賀内氏は言います。
つまり「与えて、与えて、与え続けること」しかも「見返りを期待しないこと、求めないこと」なのです。
多くの人は、「世の中は、ギブ&テイクが常識、ギブ&ギブなら、損をするばかりじゃないか」と思うかもしれません。
ところが、そうではないのです。「ギブ&ギブ」こそが幸せ豊かになれる秘訣だとこの小説を読んでいるうち、納得できるようになります。
内容紹介
小説の舞台は、愛知県知多半島に浮かぶ小さな島“多賀良島”。
以前は観光客で賑わったその島も、今では「限界集落島」となり、市長から島ごと「リストラ」されかかっていました。
その島に異国のみすぼらしい托鉢僧・タルシルが降り立ったことから物語は始まります。
ひょんなことから、本書の主人公である「多賀良島しあわせホテル」の
若女将・風見美咲 がタルシルに弟子入りし、「ギブ&ギブ」という、その一見“奇妙”な教えを実践していきます。
「成功するために、本当に大切なこととは何か?」
「なぜ、見返りを求めずに与えるとうまくいくのか?」
タルシルからの教えによって、その答えにたどり着いたとき、小さな島は再び息を吹き返し、大きな奇跡が巻き起こります。
小説全体はフィクションですが、登場するエピソードは実話を基にしています。
私が特に印象深ったところ
タルシル住職の教えとは直接関係ないのですが、島のトヨ婆ちゃんの
「傷ついた心に、傷ついたミカン」の話が私は心に残りました。
島を訪れた傷心の女性の話を聴いて、トヨ婆ちゃんが、
「あなたは傷物だから大丈夫」
と語ります。
(エッ!そんな過激な言葉、言っていいの?)と思いますよね。
ところが、トヨ婆ちゃんは穏やかにこう続けるのです。
「大丈夫よ~。たくさん傷ついたら、その人はずっとずっと強くなれるの。それだけじゃないの、ずっとずっと人に優しくなれるの。」
傷物のミカンは、見てくれは良くなかもしれないが、中身は良い。傷のないミカンより、甘くておいしいのだそうです。
人間も、傷つくことで、人の痛みがわかる優しく強い人になれると、トヨ婆ちゃんは言うのです。
この本は、こんな心温まるエピソードが満載の自己啓発系(およびビジネス系)小説です。
この小説の中心テーマであるタルシル禅師が説く「ギブ&ギブの法則」は、私も、人を「成功と幸せ」に導く最強の方法だと思います。
多くの成幸者は、やはり同じようなことを考え、実践していますから。
この本は、その成幸の法則を、分かりやすく感動しながら学べる教科書です。
おまけで「無財の七施」
自分は何も与えるものがないという人がいるかもしれません。
そんなことはありません。
お金や財産をもっていない人でも、与えることができます。
タルシル住職も説くのですが、仏教には、「無財の七施」の教えがあり、
一般に次のようなものです。
1 眼施(がんせ)
優しい思いやりの目を向ける
2 和顔悦色施(わげんえつじきせ)
穏やかな楽しい顔つきをする
3 言辞施(ごんじせ)
優しく暖かい言葉をかける
4 身施(しんせ)
礼儀正しさと真心こもった奉仕
5 心施(しんせ)
行為に思いやりの心をこめる
6 牀座施(しょうざせ)
座席をゆずる
7 房舎施(ぼうしゃせ)
家に迎えて休んでいただく
私たちには、与えるものがあるのです。
「受けるよりは与える方が幸いである」(聖書 使徒言行録 20章35節)
この記事も「与える」ことで成り立っています。
まず私が誰かに与えられ、それを読者に与え、読者から私は何かを与えられています。
「与える」ことで、人間は幸せになれると私も思います。
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【出典】志賀内 泰弘 (著)『「いいこと」を引き寄せるギブ&ギブの法則』